15年監禁の理由は?!オールドボーイ【韓国版】のあらすじとネタバレ感想

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 オールドボーイのあらすじ

オ・デスは会社帰りのある日、何者かに襲われて気を失います。

目を覚ますとそこは窓のない部屋で、食べ物だけが毎日運ばれてきます。

テレビも設置されたその部屋で彼は15年もの間監禁されたのでした。

その間彼の妻が殺害されオ・デスは何とか脱出できないものかと画策します。

ある日、目を覚ますと建物の屋上に彼は開放されていました。

記憶を手繰りながら日本食の店に入った彼は出されたタコを食べるとそのまま気を失ってしまいます。

仕方なく料理やで働くミドはオ・デスを介抱することになります。はじめはぎくしゃくしていた二人ですが、次第に心通わせるようになっていき、オ・デスが監禁されていた場所を探しに出かけます。

宅配された餃子からなんとか監禁場所を探しあてた彼は、そこで首謀者から自分が監禁された理由を探すゲームを提案されます。

必死に自分が監禁された理由を探すオ・デスはいつしかミドと結ばれ身体の関係を持ちます。

そしてついにオ・デスは首謀者がウジンという男で、彼が自分の高校の同級生であることを突き止めます。

ウジンに会いに行ったオ・デスは復讐の理由を聞き驚愕します。

ウジンは実の姉と近親愛の関係にあり、それを目撃したオ・デスによって噂が広まり、姉は自殺してしまったのでした。

ラスト結末

ウジンはそれからというものオ・デスへの復讐ばかり考えて生きてきました。

そして、オ・デスにあるアルバムを見せます。そこにはオ・デスと幼いころのミドが映ってます。彼女が実の娘であることを理解したウジンは自らの舌を引き抜き自分を戒めます。ウジンはそれを見て満足し自殺してしまいました。

オ・デスは催眠術師に自らの記憶を消してもらうようにお願いします。

彼はミドと再会し、力なく微笑むのでした。

オールドボーイのネタバレ感想

「韓国映画で好きな映画は?」と聞いてオールドボーイ、と答える人はいないと思いますが、「韓国映画で救いのない映画は?」と聞くとオールドボーイを上げる人はいるのではないでしょうか。

そのラスト結末から救いのない映画としてランクインするこの映画「オールドボーイ」。

スプラッタ描写、残酷な描写は最低限に、それでも人間として超えてはいけない一線と現実にやるせない気持ちになります。

救いのないラスト結末

オールドボーイで注目されるのはラストでウジンがオ・デスへの復讐のネタばらしをするところでしょう。

催眠状態にあったとはいえ、親子であったミドとオ・デスを愛しさせ、肉体関係を持たせたのは正直お見事、これ以上にない復讐となりました。

本当の愛とは

オールドボーイを見てからガラにもなく、「本当の愛って何だろう」なんて思ってしまいました。

実の娘を愛してしまった(一方は実の父親を愛してしまった)のは紛れもない事実であり近親相姦であることに嫌悪感を感じたオ・デスでしたが、物語はそれに終わらず、最後に催眠術師に記憶を消させたところも興味深い展開です。

つまり、オ・デスはもう一度ミドを愛そうと決めたわけです。

自分が犯した罪を悔いて自殺するなり、ミドの前から姿を消すなり、いくらでも方法はあったにも関わらず彼は「近親相姦」という事実から目を背けることにしたのです。

もはやこれは単なる性欲を越えた本当の愛になりえるのではないかと思ってしまいます。

こんなことを書くと変な目で見られるかもしれませんが、真の愛というのは男女間にはないと思っています。

男女間にある恋愛感情には根底に犬畜生にもある「性欲」があるわけですが、男色やゲイ、もしくは親子愛というのはそこから一歩進んだ「愛」ではないかという考え方があります。(私は同性愛者ではありませんが)

リベンジの形

リベンジと言うとハリウッド映画に代表されるようなショットガンを持って単身相手のアジトへ乗り込んで、、、というような派手なものを想像してしまうのですが、ウジンの復讐はそんな殺して終わりの復讐ではありませんでした。

むしろ、15年監禁している時点でほとんど死んだも同然の生活を送っており、文字通り「殺しても殺したりない」ほど憎かったのでしょう。

それはやはり一族の恨みというよりは愛する人を失った心の痛みから出てくるのでしょう。ウジンは大金持ちという設定でしたので、他にいくらでもやりようがあったのでしょうが、敢えてこんなに手の込んだやり方を選んだのは、彼自身が必死に考えて自らの手で実行する、という怨念すら感じます。

最後に

印象深いセリフが多い本作ですが、やはりラストで「獣以下の自分だが、生きる権利はあるのではないか」という生にすがるシーンはなんとも魅力的です。

あそこでオ・デスまでが自殺してしまっては本当に救いのない話なのですが、確かにオ・デスはミドを愛し、彼女もオ・デスを愛しているということは紛れもない事実で、オ・デス自身も前向きに歩き始めたのは地獄の中の一つの希望として最高で最悪のラストでした。