映画イップ・マン(葉問) 継承のあらすじ・ネタバレ・感想レビュー【ドニー・イェンの高速カンフー】

映画イップ・マン(葉問) 継承のレビュー

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イップマンをご存知ですか?ブルースリーは知っていますよね。イップマンは彼の師匠に当たる人間でカンフーの達人で、香港や中国では超有名人です。

過去イップマンのに関する映画はたくさん作られており、映画グランドマスターなどもそうですね。今日はそんなイップマンの3作目を紹介したいと思います。

イップ・マンのキャストと評価

【キャスト】
ドニー・イェン(大塚芳忠)
マックス・チャン(遠藤大智)
マイク・タイソン(藤沼建人)
リン・ホン(恒松あゆみ)
パトリック・タム(岡井カツノリ)
ケント・チェン(高岡瓶々)
チャン・クォックワン(三瓶雄樹)

【スタッフ】
監督:ウィルソン・イップ
アクション監督:ユエン・ウーピン
製作:レイモンド・ウォン
脚本:エドモンド・ウォン
音楽:川井憲次
撮影監督:ケニー・ツェー
プロダクションデザイナー:ケネス・マック
編集:チュン・カーファイ
衣装:リー・ピッククワン

評価:80点/100点

カンフー映画としては素晴らしい。

しかし脚本はいまいち感がぬぐえない。

イップ・マン承継のあらすじ

1959年香港、長男葉準を就学のため仏山に戻し、葉問(ドニー・イェン)は武館を営みながら、妻張永成(リン・ホン)と次男正の3人で穏やかに暮らしていた。

あれから詠春拳は香港でも武術界から認められ、街の人達からも葉師匠として慕われる存在となっていた。

ある日、学校で次男の正が同級生とけんか騒ぎを起こす。

その同級生の親こそが同じ梁贊の孫弟子にあたる詠春拳の同門である。

今は男手ひとつで息子を育てている車夫であるが、武館を開く夢を持っており、そのため賭け闇試合に出て金を稼ぐ日々を送っていた。

闇試合の黒幕は黒人のフランク(マイク・タイソン)。

フランクは子供達の通う小学校の土地再開発を目論んでおり、手下の馬鯨笙(パトリック・タム)を使って学校を襲ったり、火をつけたり過激な地上げ工作を繰り返した。

地域と学校を守るため、イップマンは弟子とともに自警のため奔走するが、一方で天志は大金の為に工作に荷担する仕事を引き受ける。

安全な街を勝ち取るまで戦うイップマンに立ちはだかる暴力も辞さない手下たち。奴らをけ散らしていく彼だったが、妻が病に倒れてしまう。

愛する家族を守るべきか、自分たちが暮らす町のために戦うべきか、そのはざまで思い悩む彼は一つの決断を下す。

 映画イップマンのネタバレレビュー・感想

本当にいい作品だったと思います。

ドニー・イェンのカンフーはすごいと思いますし、妻との愛情というのはこれまでの流れにも無かった勧進帳悪の単純なストーリーから抜け出す試みとして作品にいい刺激を与えていると思います。テンポも早いし、何よりカンフーに迫力を感じました。

でもですね、ちょっと脚本はいまいちかなと思います。

まずは敵がショボすぎますし、多すぎます。結局どの戦いをメインに持っていきたかったのかわからないまま最後まで行ってしまいました。

出てきた敵は結局

①チンピラ中ボス

②マイクタイソン

③同門の張天志である。

今までの流れだと①を倒し、②がラスボスという流れが多かったが、①のチンピラ中ボスが弱すぎて話にならないですし、悪というよりはチンピラの域を全く出てこないのです。

②のマイクタイソンはボクサーですし、もうすでに現役引退して久しいです。しかし、思ったよりも迫力があり、やはり拳の振りがすごい!

効果音もあるのでしょうが、本当に音が鳴るくらいの重さのパンチが出ていました。

ただカンフー映画にボクシングスタイルはやっぱり合わないですね。

カンフーは基本的に相手の攻撃を防御するというよりはいなすほうが多いので、マイクタイソンのパンチをガードしていたドニーイェンには違和感を感じざるを得ませんでした。

しかも結果はドロー。これまでなかったであろうイップマンに青あざを残すという快挙はあったものの、やはり制作側としても王者マイクタイソンをKOさせることはできなかったのでしょう。

おそらく今回は同門の張天志をラストに持ってきて盛り上げたかったのでしょうが、それも少し勢いが足りませんでした。イップマンは看板を気にするような男ではないですし、張天志もチンピラから市民を救うシーンが前半続く以上根が悪いやつではないため、単なる看板を気にする小物に成り下がってしまったというのがとても残念です。

とは言ったものの作品としての完成度は高いものと思います。

アクションはすごいし、何より観客はカンフーを見に来ているので多少シナリオ展開がいまいちでもそれなりにイップマンファンは満足したのではないでしょうか。

映画イップ・マン(葉問) 継承の最後に

やはりイップマンは基本的に勧進帳悪の路線があるほうが絶対にいいでしょう。

悪を懲らしめる路線があるほうがいいですし、観客はそのカンフーを見に来ているのですから。

もし同門の張天志を盛り上げるならイップマンは一度負けるのがよかったのではないかと思います。そこから立ち上がって勝つという流れのほうが彼の強さが際立つように思いました。

あとは奥さんとの関係はいいですね。彼が最後に「大事なことは周りにいてくれる人」という発言をしていますが、まさにこれまで市民のために戦ってきた彼だからこそ言えるセリフなのだと思います。