映画「人狼ゲーム デスゲームの運営人」のあらすじとネタバレ解説

映画「人狼ゲーム デスゲームの運営人」は映画人狼ゲームシリーズの8作目にあたる作品です。

本作はシリーズ原作者の川上亮氏はじめて脚本から監督まで務めた作品であり、さらに人狼ゲームの運営側が初めてフォーカスされた作品としてこれまでの人狼映画シリーズとは一線を画した新しい作品となっています。

キャスト・スタッフ

原作・脚本・監督
川上亮

製作総指揮
吉田尚剛
企画
永森裕二
プロデューサー
岩淵規 小笠原宏之
撮影監督
今井哲郎
アドバイザー
児玉健

キャストと人狼ゲーム役割(ネタバレあり)

正宗…小越勇輝(運営人)
琥太郎…中島健(運営人)
鬼頭…ウチクリ内倉(運営人)
姫菜…花柳のぞみ(運営人)
くるみ…坂ノ上茜(運営人)
夏目柚月…桃果(用心棒)
佐竹澪…朝倉ふゆな(人狼)
天野すみれ…森山晃帆(預言者)
秦小春…星れいら(村人)
末吉萌々香…山之内すず(村人)
滝快斗…三山凌輝(村人)
橋爪颯真…森本直輝(村人)
早坂亜由武…黒沢進乃介(霊媒師)
一ノ瀬悠輝…福崎那由他(人狼)

人狼ゲーム デスゲームの運営人のあらすじ

正宗は、命がけのデスゲーム”人狼ゲーム”を運営しているメンバーの一人です。

今日も先輩の鬼頭、同僚の琥太郎、姫菜、くるみとともにゲームを準備していましたが、運び込まれてきた今回の人狼ゲームのメンバーの中にかつて自分が家庭教師で教えていた教え子の夏目柚月がいることに気づきます。

ゲームが開始され鬼頭から淡々とゲーム運営の指示が飛びます。

柚月の役職は用心棒。誰かを守ることはできますが、自分を守ることはできません。ゲームが開始され、お決まりの自己紹介から役職の自己申告がはじまります。

佐竹と天野が二人自らが預言者であると名乗り出て、どちらかが人狼であることがわかります。今回のゲームは立候補での参加もあり、ゲームの展開も早く、初日あっさりと村人の橋爪と重要役職である霊媒師の早坂が殺されてしまいます。

かつて自分が柚月に人狼ゲームのイベントを紹介したことが今回の拉致のきっかけでないかと考えた正宗は、なんとか柚月を勝たせようといきなり窮地に立たされた村人サイドのために柚月に全員が書かれた役職と死んだ早坂の代わりに「霊媒師を騙れ」とアドバイスを送ります。

柚月は半信半疑ながら指示に従い霊媒師を名乗り、人狼である佐竹と一ノ瀬を吊るために奔走するのでした。

結末ラスト

ゲームが進みますが、以前人狼側有利な展開は変わりませんでした。苦肉の策として、柚月に自らが用心棒であることを告白するよう指示だしします。さらに、一ノ瀬が佐竹を裏切り「佐竹を吊る」と言い出すことでゲーム展開が変わります。佐竹は泣きながら吊られ、生き残った秦、滝、柚月、一ノ瀬で夜を迎えることになります。

しかしここで正宗は一ノ瀬がなぜ佐竹を裏切ったか疑問でした。腑に落ちない彼は、自分同様一ノ瀬に指示を送っている運営側の人間がいるのでは?と疑います。そのとき、休むために部屋を出たくるみを追って正宗は彼女の部屋へ走ります。彼女はまさにスマホで一ノ瀬に柚月が守っている相手を送るところでした。正宗に気づいたくるみは持っていたナイフで彼を刺し、自らが一ノ瀬とグルであったことを認めます。

もうダメかと思った次の瞬間くるみが倒れます。そこには姫菜がおり、くるみを持っていたナイフでめった刺しにします。姫菜は一言「秦小春は私の妹」と告白します。

その瞬間、正宗はこのゲーム自体が奇妙に仕組まれたものだったことに改めて気づくのでした。(ネタバレで解説します)

ネタバレ解説

人狼ゲームの映画8作目である本作「人狼ゲーム デスゲームの運営人」はマンネリ化してきていた作品をリフレッシュする多くの設定がある作品でした。ここでは映画の魅力をネタバレを含んで紹介しながら、いろいろな疑問を解説していければと思います。

作品としての新境地

本作ははじめて原作者である川上亮氏が脚本から監督まで務める異色の作品となりました。そのため、これまでのシリーズとは違い、より物語に厚みが出た作品になったのではないでしょうか。さらに原作者だからこそ作れた人狼ゲームの”裏側”ともいえる運営者側での物語展開は人狼ゲームの表と裏で起きていた多くの展開をより深く楽しむことができる作品となりました。

見どころはどこか

今回運営側が見えるとはいったものの、結局何のためのゲームなのか、ゲームマスターの存在などは明かされていません。あくまでも現場を取り仕切る人間が見えたにすぎません。

ただ、この手の展開は名作スリラーCUBEシリーズのCUBE:ZEROなどでも使われており、デスゲームに誘う運営側の話に焦点を当てながらスリラー作品を楽しむのはシリーズファンにとっても新鮮でとても魅力的な作品になります。

特に最後の展開は1つの見どころとなっており、今回のゲーム参加者は実は運営者の知人が紛れているというのが肝になります。

ラスト結末の解説

ラスト怒涛の展開が待ち受けています。それは今回運営者側である姫菜、くるみ、そして正宗はそれぞれの知人だったり大事な人がゲームに参加していることがわかったのです。

正宗にはかつて自分の教え子で人狼ゲームの魅力を教えて柚月が、くるみには何年か前に知り合い刺激を求めあう関係の一ノ瀬が、そして姫菜には自らの妹である秦が参加しており、それぞれが自分のパートナーに勝ってほしいという思いを持っていました。

そして、最終的に一ノ瀬に指示を出していたくるみの企みに気づいた正宗がくるみを追い詰め、姫菜が彼女を殺します。

そして、正宗は自分も結局ゲームマスターの人たちからすれば”駒”の一つでしかなく、今回のゲームが色々仕組まれていることに気づくのでした。

つまり今回自分の親しい柚月や姫菜の妹の秦小春がゲームに強制参加させられたことは偶然ではなく、むしろくるみと一ノ瀬の企みに気づいた運営側がゲームをより楽しくするために運営側まで人狼ゲームの参加者に仕立て上げたと考えられます。

くるみと一ノ瀬の企み

二人は数年前からの知り合いと劇中あり、今回マンネリ化したゲームに新たな刺激を求めるためにくるみが送り込んだのが一ノ瀬とみるのがよさそうです。思えばゲーム開始時に到着したバスを待っていたのは正宗とくるみであり、くるみには最初の段階から一ノ瀬にスマホを持たせるチャンスはいくらでもありそうです。彼らは支持をする人間と支持を受けゲームを遂行する人間が組めば勝てると踏んで賞金を取りにいったのでしょう。

一方で、ゲームマスターからするとくるみの動きは筒抜けで逆に姫菜と正宗を裏で仕組んで彼女らの企みをつぶしに(ゲームを面白くするために利用?)いったと予想されます。

鬼頭についてはどこまで仕組まれているかわかりませんが、彼自身”好みだ”という理由で末吉萌々香に入れ込んでいました。

単純にただ好みの女性を選んだとも思えますが、あくまでも完全に予想ですが、もしかしたら鬼頭は萌々香に裏で賭けていたのかもしれません(運営が賭けをするのは違法だが、鬼頭のような人間なら平気でやりそうです)

ゲームの結果

最終的に人狼である一ノ瀬がルール違反をしたことで、ゲームの生存者は以下のとおりです。

夏目柚月(用心棒)
秦小春…星れいら(村人)
滝快斗…三山凌輝(村人)

他の人狼シリーズとの関連

ここからは余談ですが、今回の人狼ゲームの運営側の存在が明らかになったことでほかの人狼ゲームの映画シリーズについても色々と想像が膨らみます(あくまで私の推測です)

プリズンブレイクの生き残り二人

人狼ゲーム プリズンブレイクで首輪を外して生き残った乾と相馬の2人ですが、今回運営側がゲーム会場の近くで見張っていたとあれば基本的には脱出した二人は殺されたとみて間違いないでしょう。

知り合いをゲームに売る行為

人狼ゲーム ラヴァーズやインフェルノでは例えば高野蘭子が義父の借金のために売られゲームに強制参加させられていました。今回秦小春はどうだったのでしょうか。姫菜が妹の秦を売ったという可能性も0ではないかもしれません。実際ラヴァーズの高野蘭子も妹を最後運営側に売りました。

運営人がゲームに参加

人狼ゲーム ラヴァーズでは運営側の手伝いをしていた佐久間がゲーム参加者の管に顔を見られたことで2回戦に強制的に参加させられていました。ラヴァーズの佐久間はまさに今回の正宗と同じ立場でしたので、柚月の2回戦以降の人狼ゲームに参加させられる可能性があります。(人狼ゲームビーストサイド以降必ず勝者は2回戦が行われているので柚月たちは2回戦に参加させられるものと考えられます)

最期に

2年ぶりの人狼ゲーム映画シリーズはまさかの原作者が監督という形で、より原作に近い世界観を演出した作品になりました。

ゲームの役職自体はオーソドックスな役職ばかりでしたが、人狼ゲームにある程度慣れている人でないと展開の速さについていけないのかなとも思いました。逆にシリーズのファンであれば間違いないく楽しめる1作になっています。