【映画レビュー】FOUNDファウンドのあらすじ・ネタバレ【頭がおかしい兄貴】

「イット・フォローズ」を抑えて42冠!なんていう誘い文句に乗ろうじゃありませんか。

映画FOUNDファウンドの評価

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70/100点

映画FOUNDファウンドのあらすじ

学校でいじめられているマーティは、家族の秘密を見るのが何よりの楽しみだった。
母親はベッドの下に手紙、父親は車庫の奥にヌード雑誌、そして兄はクローゼットに人間の生首を隠していた。
時々変わる生首をこっそり取り出して眺めるのを日課にしていたマーティは、ある夜同級生の首を発見し……。

映画FOUNDファウンドのレビュー

ファウンド見終わりました。
猟奇的な兄貴のスティーブに翻弄される弟マーティのお話でした。
この映画いろいろな見方があるのではないかと思っています。
まずは兄の視点から。

「ファウンド 映画」の画像検索結果

兄貴はもはや本当に頭がおかしいです。
アメリカドラマ「クリミナルマインド」の中では中の下くらいの頭のおかしさかもしれませんが、それでもやはり一般的にはかなり
頭がおかしいレベルでしょう。

彼の特技は頭を切り落としてそれをバッグの中に保管すること。

しかも家族が眠る家の2階の自分の部屋のベッドの下におくことです。
彼は弟を大事にしており、いや完全にこれは愛してしまっています。
なぜなら弟をいじめる子供も殺して生首をかばんに入れていたからです。

一般的に遺体切断の心理には以下の点があるといわれています。

・遺体の処理のため(持ち運び、処分しやすくするため)
・強い憎しみのため
・被害者を愛しているため
・強い恐怖心のため(生き返ることを防ぐため)
・快楽を得るため(相手への征服欲、サディズム)
・特殊な妄想(宗教や儀式のためなど)

この兄貴は果たしてどれだったのか、、、、、、
ランダムに殺しているように見えますが、明らかに兄貴は敵意をむき出しにした相手を殺しています。
これは自分が相手よりも強いことを示したいというサディズムの現われだと思います。
また、わざわざ切断したあとに首を大事にかばんに入れていたことからも、おそらく快楽を得るためというのが一番正しいと思います。
異常犯罪者は犯罪の記念にスーベニア(記念品)を持って帰る傾向があるそうです。
彼らはそれを眺めて楽しむのだそうです。(それが往々にして犯罪の決定的証拠になります)

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さて、なぜ兄貴はそんな風になってしまったのか。
本作では弟の視点からの映像が多いため、ほとんど描かれていませんが、一つはトーチャーポルノがあげられると思います。
(トーチャーポルノは以前このブログで取り上げました。)

トーチャーポルノとは?あらためて意味を考えてみた – 縦の糸はホラー 横の糸はゾンビ 織り成す布はいつか誰かを暖めうるかもしれない

作品名は「Headless」

骸骨のマスクをかぶった変体野郎がさらった女性を縛り、おっぱいを切り取ったり内臓をえぐり出したりするだけの映画です。

間違ってマーティはこの映画を見てしまいますが、かなり驚いたはずです。
私もはじめ見たときはかなり驚きました。

彼自身マスクを被って犯行に及ぶのは100%この映画の影響でしょう。

さて私が言いたいのはやはりこういう猟奇映画は猟奇殺人に結びつくのでしょうか?

答えはイエスであり、ノーでしょう。

もちろんこういう映画が多少なりに影響を及ぼすことはあります。ですのでイエスといわざるを得ないでしょう。
一方でこれを見ても猟奇殺人をしない人が大半であることからノーと言えます。

大事なことはその人が置かれている環境でしょう。
鬱屈した思いをぶつける相手がいない、家庭環境が劣悪など自分の現実が認めたくないほどひどい場合にこういった空想の世界に行ってしまうのでしょう。

さてファウンドを見ている人もこういった猟奇映画を見ている人でしょうから、少し思うこともあったのではないでしょうか。・

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もうひとつはやはり弟の視点です。

本作は元々弟の視点からはじまります。

まずみんな思ったことはこれでしょう。

こんな兄貴がいなくてよかった、、、、

親と上司は選べないといいますが、兄貴も選べませんよね。

さてここからが私の私見です。

本作の特徴は主人公のマーティは殺人鬼に襲われるわけでもない平凡な存在であるということです。

通常の視点であればいかれた兄貴を中心にカメラワークが回り、彼の奇行が中心になりがちです。

しかし、本作の中心は子供、かついじめられるだけのとにかく受け身の存在です。横暴な両親といかれた兄貴の秘密を知るだけの存在です。

実はこれは我々視聴者と同じ立場ではないかと思います。

映画館の椅子に座り、与えられた映像を見続けるしかない受け身の存在。もちろん我々とマーティが物語に影響を及ぼすことはありません。

あくまで傍観者、あくまでも怖くて震えているだけの立場です。

色々書きましたが要は通常は殺す人間と殺される人間を見て終わるはずが、今回は殺す人間と殺される人間とそれを目撃して怖くて震えている人を見るための映画だと言えます。

そういう意味で恐怖におののいている人を見ているとあたかもそれが自分かのようで怖さが倍増する、そんな錯覚におちいる作品でした。

FOUNDファウンドの最後に

悪趣味な映画を見てしまったと思います。

元々パッケージに42冠達成なんて書いてあるのでどんな映画かと思いましたが、かなりの曲者でした。

ちなみにラストは当然兄貴が家族を惨殺しますが、これはもちろん想定の範囲内の話だと思います。むしろあの兄貴が無事に死刑になってくれることを祈っています。

さらに願わくばマーティはもう少しいい家族のもとに生まれ変わってほしいです。(黙祷)