大人気「パージ」シリーズの3作品目のレビューです。
それではあらすじからネタバレまで書いてます。
パージ:大統領令のあらすじ
アメリカでは、「新しいアメリカ建国の父たち(NFFA)」が政治の実権を握り、一日だけ殺人を含むすべての犯罪が合法化される「パージ」を何年にもわたり推進してきました。
一方で、パージは貧困層への迫害として反パージを掲げる派閥も力を持ってきてました。
パージで家族を殺され、反パージ派閥の筆頭である上院議員ローンは大統領選を迎える直前にパージの日を迎えます。
その年のパージはこれまで禁止されていた一定階層の人間への免除を排除し、ローン議員も命を狙われることになります。
同じころ黒人で雑貨店を営むジョーはパージ保険を打ち切られ従業員のマルコスとともに自らの手で店を守るために寝ずの番をしていました。そこにパージで命の狙われたローン議員と護衛のレオが避難してきます。
彼らは命を懸けた12時間を生き延びるために奮闘します。
パージ:大統領令の評価
★★★★☆
パージシリーズも今作で3作目ですが、いまだにその面白さとスケールはとどまることを知りません。
元々1作目が裕福な家族を襲った悲劇を描いた作品でした。
映画パージの評価・あらすじとネタバレ感想【パージの世界を解説】
そこから今作ではスケールが拡大し、より混迷を極めた世界で上院議員まで巻き込んだ大闘争まで発展しました。
パージ:大統領令のネタバレ感想
パージ=一日だけ殺人を含むすべての犯罪が免罪となる、法律です。
元々は経済崩壊したアメリカで、”必要悪”として犯罪を開放するための一日を設定したのがはじまりですが、結局経済格差や犯罪は減ることはなく、保険会社とライフル協会だけが儲かるという設定になっています。
そして、さらに反パージ派の主張からすると
その裏には福祉のコストを削るためにホームレスや身体の弱い人間、貧困者を減らすことが目的になっていると言います。
パージの意味
面白い考え方ですね。
格差社会が広がる世界では富裕層が貧困層を救うのが当たり前になりつつ、救える命には限りがある、と言わんばかりに貧困層を口減らししていくという設定です。
ありえない、と思いながらアメリカであれば”ありえるかも”と1%でも思えてしまうのでそこが設定の絶妙さでもあります。
法が機能しない(正確には犯罪を容認する)世界で、秩序はどう守られるのか?という問いに対して人間の真価が問われる1日になります。
ただ、4作目のパージ:エクスペリメントではパージの1回目の施行のときのお話ですが、実は民間人はほとんどパージに参加しない、という結果も出ています。
そこらへんは作品を見てみてください。
バイオレンス映画として秀逸
難しいパージの理屈はさておき、バイオレンス映画としてかなり楽しめる部類の映画だと思います。
アクションもそれなりですし、シナリオも山あり谷ありで展開も早い、かつキャラクターもそれぞれ個性があり愛着が沸きます。
(もう少しクレイジーな奴が出てきてもいいと思いますが、あまりやりすぎるとチープな作品になるので)
悪役として出てくるメンバーもキャラがたっており、雑貨店を襲う不良娘は「チョコバーよこせー」というキ〇ガイぶりがなんともいい感じでした。
唯一の気がかりはジョーが最後死んでしまうことです。
こんないいやつが死んでどうしようもないのが生き残ってしまうなんて、、、、
まあ確かにマルコスに「いつかお前に店を譲ってやりたい。お前みたいな移民が店持つなんてアメリカンドリームみたいでいいよな」
なんて完全に死亡フラグ立ってたししょうがないですかね。
最終的にローン大統領が誕生し、パージ制度は撤廃されます。
ジョーが死んだあとはマルコスが継いで新しく再スタートを切ります。
全体的に登場人物全員で次期大統領をローン議員にするための橋渡しをしていた感じですね。
最後に
それなりにお金も使っているのか安っぽいCGもなく、世界観はしっかり作りこまれている感じです。
役者も経歴がいくつか書いてあるから3流の人は使っていない感じですね。
そんなにグロもないので安心して見られるのではないでしょうか。
ぜひパージの他のシリーズもご覧ください。