映画血の祝祭日のあらすじとネタバレ感想【ハーシェル・ゴードン・ルイス】

血の祝祭日の評価

★★★★☆

ゴアの巨匠ハーシェル・ゴードン・ルイスの名を世に知らしめたスプラッタ映画の先駆け映画です。

映画の古さはあり、血のりのチープさなどを置いておいてもカルト宗教化ラムゼスが街を恐怖に陥れる不気味さは今でも伝わってきます。

歴史の古さを考えればこの後の食人やスプラッタに多くの影響を与えた一作であり、描写ごとに「あ、のちの映画に影響を与えたシーンだな」など関心しながら見ることができた作品です。

個人的にはイシュタルの儀式を最後までやり遂げて欲しかったので★ー1です。

血の祝祭日のあらすじ

警察署の一角、刑事が二人女性が無差別に殺される事件を調べて行き詰っていました。
犯人は若い女性を襲っては心臓を奪ったりと猟奇的な事件に発展していました。
ところ変わりエスニック料理店を営むラムゼスは古代エジプトのイシュタル神を崇拝していました。
彼は町に住むフリーモント家の娘スゼットの誕生日に「特別な料理が欲しい」と言われ、”エジプトの晩餐”という料理を勧めます。
エジプトの晩餐とは、大昔にエジプトで実際に行われたといわれている古代儀式で、イシュタルを復活させるための闇の儀式でした。
ラムゼスはその後も若い女性を襲っては四肢を切り落とし、自らの料理に仕上げていきます。

スゼットの恋人で刑事のピートも解決の糸口を見つけられないまま時間が過ぎていきます。

結末ラスト

スゼットの誕生日会の日、ピートは被害者の生き残りの女性が残した言葉が「イシュタル」であり、被害者が全員読書会でつながっており、ラムゼスが書いた古代魔術に関する本の購入者であることに気づきます。

ピートはスゼットの誕生日会で出される料理こそがイシュタルの血の晩餐の料理であることに気づきすぐに指名手配します。

警察が来たことに気づいたラムゼスはすぐに逃走しますが、逃げ込んだゴミ収集車に巻き込まれ、死んでしまいます。

血の祝祭日のネタバレ感想

ゴアの巨匠、ハーシェル・ゴードン・ルイスのその名を轟かせた作品、それが血の祝祭日です。

当時ホラー映画がマンネリ化してきた中で、臓物や血をリアルに使い、観客の度肝を抜いたスプラッタ(ゴア)映画の夜明け的作品です。

古代エジプトのカルト「イシュタル」

血の祝祭日を語るうえで欠かせないのが5千年前の暗黒の女神「イシュタル」です。

愛の女神の一人であるイシュタルですが、彼女の愛は「悪徳の愛」と言われ、血なまぐさい愛です。

イシュタルにはシャモス高僧という恋人がおり、今回ラムゼスは自らをシャモスに重ねていたと考えられます。

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作中でも説明がありましたが、イシュタルの晩餐というのがあり、イシュタルの晩餐の日には寺院に処女の女官が集められ7日間ひたすら男たちとまぐわい続けます。

そして、7日目に寺院で若い女官が生贄に捧げられ、血、手足、内臓を使って作られたその料理を完食すると、女官たちが女神イシュタルの生まれ変わりとして蘇る、というとんでもカルト儀式なのです。

ゴア映画の夜明け的作品

人間を料理して食べる、という描写は今でこそそこまでセンセーショナルな描写ではないものの、当時は衝撃的だったことでしょう。

その後人喰族やグリーンインフェルノなど多くの映画に影響を与えたことは間違いないでしょう。

描写のチープさは今でこそ見られますが、それでも忘れられない描写が多く、四肢の欠損や手作りの音楽など今でもぞっとすることこの上ない作品です。

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B級映画の先駆け的映画

スプラッタやゴア描写としてもカリスマ的だった本作ですが、実はB級映画としてもかなりのカリスマでした。

当時は映画を一つ撮るのにとてもお金と手間がかかった中で、タブーを破って新たなものを作り上げることがB級映画の役割でした。

直接的な残虐描写をタブーとするところを破ったのもそうですし、同時に手作りの音楽や棒読みのセリフの俳優もとても印象に残る作品です。

特に音楽の太鼓を単調に鳴らし続ける音楽は最後まで耳に残り、他の作品でも多様されるものになりました。

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最後に

ラストのTHE ENDという文字も絵具で一生懸命作った夏休みの作品みたいで味があります。

とにかく不気味、という文字が似合う作品で、スプラッタ好きには一度は見て欲しい作品です。

ちなみに2000人の狂人もおすすめです。

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