アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツの評価
★★☆☆☆
B級、いやC級映画ですね。
C級のCはCheepのC。
三流役者に棒読みのようなセリフにつぎはぎで作ったようなカメラワーク。
1970年代の映画であれば「味がある」となったのでしょうが、残念ながら現代ではC級をいわざるを得ません。
コメディホラーを語るのであればもう少しブラック要素をふんだんに入れて欲しかったところですが、それも中途半端。
モンスター映画ならチープさの中にスプラッタ要素をにじませてもいいように思いますが、それもほとんどなし。
期待していた分、少し拍子抜けでした。
アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツのあらすじ
ジョニーは母と二人暮らしで、寂れたドーナツ店で幼馴染のミシェルと一緒に働いています。
彼はヴェロニカという遊び人の女性を彼女と思い込みお金を貢いでおり、本人はそれに全く気付いていません。
ジョーニーにはハワードというオタクの友達がいますが、彼はジョーニーの母親と寝ています。
ジョニーには叔父のルーサーがいますが、彼は変人で死んだネズミを生き返らせるような奇妙な実験ばかりしています。
ある日ルーサーは自分の研究結果の入ったPCをジョニーから取り返すためにドーナッツ店へ訪れます。しかし、店長と喧嘩になり、もみ合った末に彼の研究成果がドーナツのフライヤーの中へ飛んでしまいます。
その中にはドーナツが数多く入っており、そこから生まれたドーナツは自ら攻撃的な意思を持つキラードーナツだったのです。
ドーナツがそんなキラードーナツだとは知らず、みんなどんどん買っていってしまいます。
常連客のスコラーリ、警察官と犯罪者、ライバル店のフラニガン、地元の若者たち、みんなドーナツに襲われてしまい、食べた者は腹痛を訴え、緑色の液体が身体から吹き出します。
ジョニーたちは事態に気づくとキラードーナツと対峙することを決意します。
アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツのネタバレ感想
明らかに狙ったこの題名がアタック・オブ・ザ・キラー・トマトという往年の名B級映画のオマージュであるとどれほどの人が気づくだろうか。
アタック・オブ・ザ・キラー・トマトと言えば、CGの技術なんてほとんどなかった時代に台車の上のハリボテを置いて坂を転がしながら撮影した微笑ましい芸術であるが、このアタック・オブ・ザ・キラードーナツは半端にCGが発達してしまったがためにトマトの時の愛くるしさが失われた単なるハリボテの映画になってしまいました。
発想は○、演出が×
誰もが大好きドーナツが襲ってくる。
こんなに素晴らしいアイデアは他にないでしょう。
しかも、ちゃんとドーナツ大好き警察官も襲われるのだから、もうそれだけではっきり言って面白い!はずでした。
蓋を開けてみれば、確かに目と歯がついたドーナツが牙をむいているものの、その戦闘シーンはまるで小学生の運動会のホームビデオを見ているようで、わざとそうしているのか、残念ながらそうなってしまったのかの境界線があいまいでモヤモヤする1時間です。
どうせ襲うならしっかり人を襲ってほしいのですが、なじみ客を襲う時と主人公たちを襲うシーンなんかは同じモンスターか?ってくらい迫力がないわけです。そのため、主人公たちがどれくらいピンチなのかも伝わってこず、パニック映画としてはいまいちになってしまいます。
半端なブラックジョーク
もうここまでドーナツでふざけたならお下品にするかブラックにするかしかないと思うのですが、残念ながら両方ともお預けになります。
一瞬出てきた主人公をたぶらかすビッチは車のサスペンションが上下するだけですし、ちょっとセクシー路線の主人公の母親は息子の友人と寝ているというのにそのシーンは皆無。
まあ最悪B級映画お決まりのお色気シーンはお預けとしても、息子の友人と寝ているという事実をとにかく設定して、息子が「うちのママは僕の親友と寝てるんだ」と幼馴染に打ち明けるだけで特に伏線回収はありませんでした。その設定は必要でしたかね、、、?
せめてその手の奴には天罰でドーナツがチ○コに噛みついて勢いよく出血、ぐらいの描写はほしかったところですかね。
最後に
ちなみにこの映画はホラー映画の動画配信サービスOSOREZONで見ることができます。
もろ手を振っておすすめできる映画ではありませんが、一応久しぶりに主人公がハッピーエンドする映画を見たのでレビューは書くことにしました。