「ハッピー・デス・デイ」を楽しむネタバレ解説

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 ハッピー・デス・デイの評価

★★★★★

ループスリラーもの、ホラーコメディもの、どのジャンルで見ても面白い作品でした。

特にスラッシャーものは一般の方からは敬遠されがちな映画ですが、このハッピー・デス・デイは普段ホラーを見慣れていない人でも十分楽しめる内容になっています。

 ハッピー・デス・デイのあらすじ

大学生のツリーは自由を謳歌する大学生です。誕生日の前日も浴びるように酒を飲み名前も知らない男(彼の名前はカーター)のベッドで目を覚まします。

ふと携帯には父親からの着信があります。

彼女は数年前に他界した母が自分と同じ誕生日であったことから、自分の誕生日を素直に祝えないでいました。

彼女はカーターの部屋から出て寮に戻ると同じ寮のダニエルから声をかけられます。また、病院でアルバイトをしている真面目な性格のルームメイトのロリは自分用に誕生日のケーキを渡してくれましたが、ツリーは食べずに授業へ向かってしまいます。

その日の夜、パーティに行くために夜道を歩いていたツリーは突然大学のマスコットキャラのベビーマスクのお面を被った男に襲われます。

必死の抵抗も空しくツリーは殺されてしまいますが、ふと彼女が目を覚ますとそこはまたカーターのベッドでした。

するとまた父親からの着信があり、すでに経験した自分の誕生日が全く同じように繰り返されるのです。しかも最後にはまたベビー・マスクによって殺され、またカーターのベッドで目を覚ますのでした。

ツリーはそんな自分が殺される日が無限ループする世界から脱出するために、カーターと共にベビー・マスクを見つけ出し、自分を殺すことを止めるしかないと決意するのでした。

ツリーは何度も死のループを繰り返すうちに連続殺人犯のトゥームズがベビーマスクであることを突き止めます。そして、彼に殺される前に病院で彼を殺すことに成功するのでした。

喜ぶツリーはカーターと誕生日を祝いますが、目を覚ますとまた18日の朝に戻っているのでした。

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 結末ラスト

トゥームズが ベビーマスクでないことを知ったツリーは混乱しながら寮までまた戻ります。

いつものようにロリからケーキをもらいますが、その時に誕生日を祝った直後に死んだことに気づきます。

ロリこそ真犯人で、ケーキに毒が入っていたのでした。また、トゥームズの拘束を解けたのはロリなら可能でした。

ロリを問い詰めると彼女はグレゴリーとの関係に嫉妬していたことを話し出し犯人であることを告白します。

もみ合いになるツリーとロリ、ツリーはやっとのことでロリを窓から突き落とし事件は解決しました。

ふとロリが目覚めると、またカーターのベッドの中にいます。

驚くロリですが、カーターはふざけていただけですでに19日になっていることをロリに告げるのでした。

 ハッピー・デス・デイのネタバレ感想

かつて映画ゲット・アウトでアカデミー賞を取ったジョーダン・ピールが「ホラーとコメディは同じなんだ」と言っていたことがあります。

彼の真意はわかりませんが、ハッピー・デス・デイは「死」というシリアスな話題を非常にポップに作り替えています。それはループというSF要素であり、ツリーという天真爛漫な女性であり、学園物という設定、全てがうまく機能し、素晴らしい作品に仕上がっています。

スクリーム以来の学園ホラー

学園もののホラーと言えば、「Hi,シドニー」のセリフが印象な映画スクリームが有名でしょうが、スクリーム以来の良質ホラーであると言えます。

ホラー映画として前半はシリアス、特にベビーマスクが出てくるところはホラー苦手な人は結構びびったのではないでしょうか。

それでも一般の人が見ることができるのはそこに学園物の要素が入るから。

学園という閉鎖的な空間では警察や親ではなく、自分や友達で事件を解決するしかない中で奮闘し、友情あり、恋愛ありの展開はシリアスな展開の中でも勇気を観客に与えてくれます。それが作品に深みを与え、いつしかホラーの中に笑いを生むことができます。

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ジェシカ・ローテの天真爛漫演技

そして、この映画の立役者は主人公のジェシカローテでしょう。

1987年生まれの彼女は大学生にしては老けている一方で、芸歴も長いせいか見事にツリーを演じています。

はじめ、ツリーは誰とでも寝る、友達を軽んじる、自己中、など嫌な女の典型という女性でした。

まあそれは天性のものではなく、母親の死から目を反らすがゆえに、自らからも目を反らしていた結果ではあるのですが。

しかし、痛い目を見るうちに自らの行いを改め、真っ当な人間に変貌していきます。

ある意味投げやりな人生から、純粋に”生きたい”という目標を見つけ必死に戦う姿は見ているこちらも温かい気持ちになりました。

タイムループものの欠点を見事に補う

スリラージャンルの中でもタイムループものは結構厳しい評価がつきがちです。

タイムループものが厳しい評価になる原因は辻褄やタイムループの原因など、映画の面白さの本質から離れた部分が気になってしまうからです。(そもそもSFなのでそういうところはご愛敬なはずなのですが・・・)

つまり、タイムループものの基本は”そういうこと”をいかに気にさせないインパクトを持たせるか、に尽きるわけですがこのハッピー・デス・デイはそこを見事に乗り切っているわけです。

最後に

続編も日本では同時公開されています。

3作目も製作が決定しているそうですので、楽しみです。

2作目であるハッピー・デス・デイ 2Uはこの1の正統派続編になっていますのでまずは必ず1を見てからにしましょう。できれば2作品同時に見るのがとても面白いと思います。