パージ:エクスペリメントの評価
★★★☆☆
一言:パージと思わなければアリ
大ヒット映画「パージ」シリーズの4作目です。
お話としてはそれほど凝った脚本でもなく、驚きもなければ寝るほどのつまらなさもないかなという感じ。
ラストになればなるほどグダグダになっていく感じがしますが、パージファンなので星は3つというところでしょうか。
パージ:エクスペリメントのあらすじ
近未来のアメリカでは経済が崩壊し、“アメリカ建国の父”を名乗る新政党NFFA(the New Founding Fathers of America)が大きな支持を集め政権をとっていました。
NFFAは悪化した治安を回復させるためにパージと呼ばれる一日だけすべての犯罪が合法となる法律を成立させようとしていました。
その前哨として、ニューヨークのスタテン島でパージの実験を行い、効果の検証が行われるのでした。
スタテン島に住むお金持ちは島から逃げ出し、残ったのは報酬が欲しい貧困層の人間たちでした。
島に住むナヤはパージに反対するため抗議集会を開いていました。
ナヤの元恋人でギャングのリーダーのディミトリーはパージには反対ですが、自衛のために武器を集めていました。
攻撃的な性格の異常者スケルターはパージに積極的に参加して人を殺す気満々でした。
それぞれパージの夜を迎えることになります。
パージ:エクスペリメントのネタバレ感想
映画パージシリーズの4作目ですが、お話としてはエピソード1でして一番初めの物語です。
パージとは?
まずパージとは1年のうち12時間だけあらゆる犯罪行為が合法化されることを言います。
略奪や窃盗にはじまり、暴行、殺人までも合法化されます。
パージの世界では貧富の差が激しく、自衛の手段を持たない貧困層が大抵は被害にあうケースが多いです。
映画のパージの魅力とは
映画パージがヒットした原因はその奇抜な発想とその非日常感にあります。
昨日まで仲良くしていたお隣さんが、パージの日になると日ごろの恨みでショットガンを持って家に押しかけてくるというこの裏表がたまらず刺激的なのです。
それは1からはじまり3まで同じで、常にパージで襲って来るのは友人、隣人、知人のケースが多いのです。
パージ:エクスペリメントの物足りなさ
正直はじまりの物語としてのパージ:エクスペリメントには物足りなさを感じました。
一つはパージの面白さである「知り合いが殺しに来る」ところが薄いからでしょう。
素人の殺し合いというのはホラー映画としては大変魅力的なのですが、今回の殺しの中心はなんと一般人に紛れ込んだ傭兵部隊です。
どうしてもプロの殺し屋が素人を殺しているのを見ると興奮が半減してしまいます。これでは単なる弱いものいじめです。
はじまりの物語としての役割
そしてもう一つ残念なのは、エピソード1としての本作品にはもう少し「なぜパージが行われるようになったか」を追求してほしかったです。
作中では、恣意的に操作された実験結果によって「パージは必要だ」という結論に至っていますが、もう少し踏み込んでパージの必要性を証明してほしいところです。
改めてパージはなぜ必要か?
パージは元々経済崩壊した未来で溜まったうっぷんを晴らすための1年間の1日なのです。まるで1週間のうち土日があるように、1年間のうち年末年始や夏休みがあるように、日ごろのうっぷんを晴らすオンとオフの切り替えこそがパージの役割なのです。
これは私個人としては十分あり得る話だと思っていまして、こちらでも書きましたが
例えば風俗や水商売のない世界では男の性欲のはけ口が無くなるので女性への暴力が上がると言われています。
つまりこれらはいわゆる”必要悪”言われるものですのでパージにもその性質があります。
今回パージ:エクスペリメントではその必要性をぜひ解いて欲しかったところです。
最後に
色々書きましたが、それでもパージシリーズは面白いです。
パージ:エクスペリメントも不満はありつつも単純にスリラー作品としては秀逸なのでぜひ、この手のスリラーが好きな方は見ていただければと思います。