映画ダークプレイスのあらすじとネタバレ感想【ラスト結末も】

 ダークプレイスの評価

★★★☆☆

良質なサスペンスなので万人受けするストリーだと思います。

一方でもう少しひねりがあってもいいかなと思う部分もあります。

最後の最後まで悲しい雰囲気の中でこの時代の貧富の差と苦しい生活の人たちが生んだ悲しい偶然に映画を見終わったあとに少し切ない気持ちになります。

詳細はネタバレ感想の項目で。

ダークプレイスのあらすじ

リビーは8歳のときに母親のパティと姉妹を殺された被害者でした。しかもその犯人は当時15歳の長男ベンでした。

悲惨な事件の後でリビーは被害者への寄付金のおかげで働かずに暮らしていましたが、そんな彼女の貯金も尽きかけていました。

お金に困っていた彼女のもとに有名事件を再調査したり、話し合ったりする「殺人クラブ」から彼女の事件について話をしてくれたら報酬を払うという話が来ます。

気の乗らない彼女でしたがお金のためにクラブに向かうと彼らはベンが有罪ではないかという議論をしていました。

当時彼女が兄の犯行を目撃したと証言したことで有罪が確定したこともあり、リビーは困惑します。

殺人クラブのライリーはリビーにベンの事件の証拠保管期間が残りわずかなため再調査を依頼します。

お金の欲しいリビーは渋々依頼を引き受けます。

リビーは兄のベン、その彼女ディオンドラ、実父のラナー、悪友のトレイ、過去にベンが性的イタズラをしていたというクリシーやその家族に会って話を聞いていきます。

次第に兄のベンが一家を殺害していないという可能性が明らかになっていきました。

ダークプレイスのラスト結末

リビーはベンの当時の彼女であるディオンドラを探し当てます。

調査の結果、当時彼女はベンとの間に子供を授かっていました。

事件以後彼女は名前を「ポリー・パーム」を変え、ベンとの間にできた娘のクリスタルと一緒に隠れて暮らしていました。

リビーはディオンドラの部屋で母親の形見の十字架のネックレスを見つけ、真実に気づきます。

母親は自らの借金のために「負債の天使」と呼ばれる殺し請負人のディールに自分を殺させて保険金を子供たちに残そうとしていました。

しかし、彼女は家に子供がいることを告げ忘れていたため誤ってディールが家族を殺してしまいます。

そして、ディオンドラは自分がリビーの家にいたことを目撃したミシェルを殺してしまいます。

リビーは彼女を守るためにベン「そこに隠れていろ」といったのを「彼が殺した」と勘違いしてしまったのです。

その後ベンはディオンドラとお腹の中の子供を守るために自ら罪を被ることを選択しました。

28年ぶりにベンの無実が明らかになりました。

リビーはベンのことを、許せないといいながらも血のつながりである兄という存在を少しづつ認めていました。

あの事件があって以来はじめてリビーは農場に行きます。

すでに違う家族が住んでいるその農場を見て車を走らせながら、今やっと自分の新しい人生がはじまったと思うのでした。

ダークプレイスのネタバレ感想

終始落ち着いついた(暗い?)雰囲気で物語が展開します。

スリラーというよりもサスペンス要素が強く、見れば見るほど謎が明らかになっていくので安心して見れる作品です。

シャリーズ・セロンの好演

主人公のリビーを演じるシャリーズ・セロンが今回も好演します。

リビーは家族を実の兄が殺すという複雑な家庭環境に生まれ、一家惨殺された”あの日”に人生が一転してしまいます。

それはお金がない生活がお金のある生活に、家族のいる生活が家族のいない生活に、優しい兄が殺人鬼の兄に代わってしまうのです。

そして、その後お母さんの「有益な人生を歩んでほしい」という望みとは裏腹に、寄付金頼みの抜け殻の人生を送ってしまいますが、その感じがとてもよく出ている演技です。

悪い子ではないけど、どこか擦れている、自分の人生が突然180度変わってしまうことにとても不満、だけど誰にもその怒りをぶつけられずに無気力な人生を送るリビーをとてもかわいそうに思ってしまうのです。

一つづつ丁寧に解かれる謎

サスペンスの命は謎とそれが解明されるプロセスです。

一見、「殺人クラブ」ばかり気になってしまいますが、正直脇役も脇役で結局はリビーが奔走して真実を突き止めます。

ベンとの28年ぶりの再会からはじまり、あの日から止まってしまった時を取り戻すために、あの時の関係者全員に会いながら真実を確認していきます。

調べれば調べるほどベンの無実が明らかになっていくのです。丁寧に一つづつ、みんなあの日に語れなかった真実を語っていきます。

特に悪魔崇拝をしていたベンは大きなマイナスのイメージからスタートし、少女への性的イタズラも間違い、悪魔崇拝も最後の最後は良心が残っていることがわかりました。

そして、意外にもディオンドラが本気でベンを好きに思っていることが意外でした。

どう見てもビッチな彼女は、正直ベンとの子供ではないと思っていたら実は本当に子どもだったという話にびっくりです。

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実は愛の物語

ダークプレイスとは「心の闇」を指します。登場人物は全員28年前にそれぞれのドラマを持っており、それを心の奥底に封印していました。

妊娠して子供ができたベン、殺す場面までは見ていないのに証言したリビー、負債の天使に自分を殺させたパティ、嘘の性的悪戯をでっちあげたクリシー。全員あの日から秘密を守り、リビーが訪れた時に告白するように真実を語ります。

しかもその真実がほとんど「愛」のために闇に葬られたものばかりでした。

妻と子供を守るためにとったベンの心の闇、家族を守るために自分を殺させた母親パティの心の闇、その奥底にある愛こそがダークプレイスの根底にあるのが本作の見どころの一つです。

 ダークプレイスの最後に

時代背景もとても興味深いものでした。

悪魔崇拝が若者に流行ったのは国が一見豊かになっていくように見えて自分たちには不満ばかりたまっていく当時のレーガン政権への不満が垣間見えます。

ベンが悪魔崇拝をしているという理由で犯罪者にされましたが、当時同じような境遇にあった人も多くいたことでしょう。

ダークプレイスという映画は誰もが持っている人間の心の奥底にあるリアルを描いた作品だと思います。