映画ハウンターのネタバレ解説【ラストはハッピーエンドか?】

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映画ハウンターのキャストと評価

リサ……アビゲイル・ブレスリン
ブルース(リサの父)…… ピーター・アウターブリッジ
キャロル(リサの母) ……ミシェル・ノルデン
ロビー (リサの弟) ……ピーター・ダグーニャ
青白い男 ……スティーヴン・マクハティ
オリヴィア ……エレノア・ジィシー
デヴィッド(オリヴィアの父)…… デヴィッド・ヒューレット
アン(オリヴィアの母) ……サラ・マンニネン
エミリー(オリヴィアの妹) ……マルティーヌ・キャンベル
フランシス ……サマンサ・ワインスタイン

評価:70/100点

一度ではついていけない部分があるかも。

おもしろい設定だが、多くの次元を行き来するため自分が今どこの場面を見ているのかを理解できないと終わったあとにモヤモヤが残ります。

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映画ハウンターのあらすじ(前半)

リサ・ジョンソンは16歳の誕生日の前日をいつも繰り返していた。
弟ロビーがトランシーバーから出す声で目覚め、母キャロルに冷たい水で洗濯するように頼まれ、父ブルースは車の修理をしている場面を何度も目撃する。

その世界ではいつも母は洗濯物がなくなったと困っており、父は車がどうしても治らないと困っています。弟のロビーは普段かけているメガネをかけていません。
家から出ようとしても、深い霧のせいで気づけば方向感覚を失い、元の家に戻ってしまいます。また、電話も不通でどこにもかけることができません。

リサはそんな世界にうんざりしていながらもどうしていいかわからず戸惑っていた。リサは家族に同じ日がずっと繰り返しているとみんなに説明しますが、両親は信じてくれませんでした。

しょうがなく、いつもどおりピーターと狼をクラリネットで弾いているとリサを呼ぶ声がする。

また起きると同じ日が繰り返されており、母親がなくなった洗濯物を探している。ベッドに入ったリサは何者かが扉の前を通るのを目撃し追いかけるとある部屋についた。

その後またどこからか自分を呼ぶ声を聞くようになり、その声を辿っていくと地下室の洗濯機の裏に鍵穴を見つけることとなる。鍵が無ければ空かないその部屋を不思議に思い、また日は過ぎていく。

リサは以前誰かに追いかけた時にあった部屋にあったビデオを再生すると引っ越してきた当初のビデオを見つける。

そこには家族以外の何者かがビデオに写っていた。

映画ハウンターのあらすじ(後半)

リサはヴィジャボードでその誰かに話しかけました。

生きているかと聞くとイエスという答えが返ってきます。

リサは怖くなりリビングへ行きます。すると父のブルースが普段吸わないタバコを吸っていました。

また、いつも食後に見るドラマを母親が見ていないことに気づきます。

リサはいつも違う日常に戸惑いながら眠りにつきましたが、次の日目覚めるとリサの両親が大声で喧嘩をしていた。父親は車の部品のスパークプラグがなくなったと言って激怒し、妻に詰め寄る。

普段と違う父の姿に戸惑うリサ。

そして呼び鈴がなり、電話の修理人と名乗る青白い顔をした男が訪れる。

彼はリサの部屋でベッドに座るとリサにたいして他人との接触をやめるように忠告をする。すると、父親がタバコをやめ、また1日が元通りになる。
だが、ヴィジャボードで声の主と交信を試みるリサ。・・・自分が死者なのはもうわかっているから、と。

オリビアという少女と繋がる事に成功し、少女連続失踪事件に関する新聞記事の切り抜きと、地下室の鍵を見つけるリサ。
そして、鏡越しにオリビアとリサは出会う。
数分だけオリビアに乗り移り、自分と家族の死亡記事を見つける。

リサは地下室の鍵を開け、沢山の人骨と指輪、それの持ち主で最初の行方不明者フランシスと繋がる。
再びオリビアに乗り移ったリサは、自宅の以前の住人が連続殺人鬼エドガー・マリンズで、彼は幽霊になって人間に憑依して犯行を繰り返し、今はオリビア一家を標的にしていると知る。

リサ一家は全てを思い出し家から開放されたが、リサにはやり残した事があった。
オリビア一家を救い、エドガーの悪行を終わらせるのだ。

戻ったリサはエドガーにつかまり、車に監禁される。しかし持っていたライターでテープを切り、機会を伺うリサは隙を見て後部座席から彼の首を絞め、車のキーを奪い外に逃げ出します。

しかし、男はスペアキーを持っており、愕然とするリサ。その時霧の中からニコルズが現れ指輪を付けた指でエドガーを指さします。するとこれまでエドガーに殺された人たちが彼を取り囲み地獄へ連れて行きました。

殺められた多くの人の力を借りて、エドガーの犯行に終止符を打ったリサ。オリビアの世界に戻り、リサの前に現れたオリビアのお父さんのデビッドがオリビアにすまないと謝ります。

リサは弟ロビーの声で目覚める。トランシーバーからはお延ちゃんお誕生日おめでとう、という声が聞こえ、止まっていた日が動き出し日常が進みだしたことを表していました。

1階に下りたリサは誕生プレゼントの自転車をもらいます。外になにがあるの?と聞くと父親が「望むものは何でも」と答えます。

映画ハウンターのネタバレ感想

映画ハウンターは ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の作品です。

ヴィンチェンゾ・ナタリと言えば低予算映画の「CUBE」が有名です。

見知らぬ男女数人が起きるとCUBEという施設に監禁されていて、脱出するというシチュエーションスリラーです。

本作でも ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が得意とするシチュエーションスリラーの作品で、早い段階で1日が何度も繰り返されることがネタバレされます。

映画ハウンターの魅力

もちろん、なぜこんな状況になったのかという疑問もこの映画の謎の一つですが、さらに同じことが繰り返される1日が少しづつ変わっていくのです。

ある日突然父親が吸ったことのないタバコを吸い始めたり、凶暴になったりと単純に同じ日の繰り返しでないところにもにも二重三重にも謎が張り巡らされています。

そういったミステリースリラーの要素に加えて、実はリサを含めて全員が死んでおり、しかもこの家は多くの人間が死んでいるいわくつきの家であることがわかり、ウィジャボードまで出てくるホラー要素もうまく含んでいます。

普通の女の子が少しづつ謎を解決していくという流れで明らかになっていくピースを一つづつつなげていくと最後にエドガーにたどり着きしっかりハッピーエンドに持っていきます。(もうすでに死んでいるのでハッピーエンドではないかもしれませんが)

見ていて置いていかれる

ただ、残念ながら見ていて置いていかれるところもありました。

しっかり見ていないと今はリサなのかオリビアなのか、突然エドガーが出てきて彼が何者でなぜこんなことをするのかわからなくなります。

私自身も全ての伏線を回収して理解できているかわからないです。

それぐらい伏線も多いですし展開が唐突です。

今回私が理解したいくつかの仮説を書いていきます。

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なぜ同じことが繰り返されるのか

本作の謎は「なぜ同じことが繰り返されるのか」と「なぜこの家から出られないか」です。

これはあくまでも私の仮説ですが、まず登場人物が全員死んでいる前提で話せば「この家から出られない」=「成仏することができない(天国へいけない)」という解釈ができると思います。

つまり、本来死んだら天国へ行くはずが、あの家の中に魂が閉じ込められてしまい永遠にリピートしているのだと思います。

ではなぜリピートしているのか。それは悪霊であるエドガーが何度も同じ日を繰り返すことにより何度も家族を殺す楽しみを味わえるからではないかと思います。

作中でもエドガーがリサに「君を殺すのは楽しい」と言っていることからも彼が快楽殺人鬼であることは間違いないく、どういう理屈かはわかりませんが、彼だけがリサやオリビアたちとの唯一の共通点になります。

これも推察ですが、一日が先に進まないのは、その日に死んでしまっているからです。ですので、各シーンでは描かれていませんが、実はリサは繰り返した日の最後に何度も死んでいるのかもしれません。

どうすれば地獄のループから出られる?

これも仮説ですがステップがありそうです。

①忘れていることに気づく

②自分が死んでいることに気づく

ということがループから抜け出すカギになりそうです。

つまり、自分が死んでいることに気づかないからこそ現世に未練が残り、地縛霊のように成仏できないということが言えるのではないでしょうか。

①の忘れていることは人それぞれです。

弟くんはメガネがないことを忘れていました。お母さんは洗濯物がないこと(後に家を逃げ出す際のカバンにつめたことを思い出します)お父さんはプラグを隠したことを忘れていました。

それらを思い出すと、死んだ日の記憶がよみがえり、自分が死んだことがわかるのです。

正確には③として③外へ出たい=天国へ行きたいと思う、ことがあるのかもしれませんが、これはリサを除く家族が霧の中を飛び出して外にいけたことからも死を自覚した後に外に出られることは間違いなさそうです。

ラストはハッピーエンドか?

もちろんラストはエドガーを倒し、リサの誕生日が訪れます(リサの誕生日の前の日に殺されているので)この時点で地獄のループからは開放されているとみていいでしょう。

そして私の解釈が正しければすでにあの世界は天国への旅立ちができているということになります。

ラストでリサのお父さんがあの扉の向こうには望むものが何でも待っている、ということを言っていたのでこれは間違いなく天国とみていいでしょう。

ハッピーエンドと言うにはすでに死んでいるので悲しすぎますが、それでも実は毎日一日の終わりに父親に殺されているという現実を繰り返していたのならば、それはまぎれもなく、ハッピーエンドなのではないでしょうか。

 映画ハウンターの最後に

長くなってしまいまいたが、個人的には結構好きな作品です。

若干無理のあるところもありますが、こういうシチュエーションスリラーは勢いで見ていくのが暗黙のルールだと個人的に思っているので大枠で話の筋が通っている本作は結構好きです。