映画ザ・セルのキャストと評価
キャサリン・ディーン…ジェニファー・ロペス
ピーター・ノヴァク …ヴィンス・ヴォーン
カール・スターガー …ヴィンセント・ドノフリオ
ミリアム・ケント博士 …マリアンヌ・ジャン=バプティスト
ゴードン・ラムジー …ジェイク・ウェバー
ヘンリー・ウエスト …ディラン・ベイカー
ジュリア・ヒクソン …タラ・サブコフ
評価 70/100点
アイデアはとてもよいのだが、残念な部分も多い
映画ザ・セルのあらすじ
先進的な医療施設キャンベルセンターで働く小児精神科医のキャサリンは、昏睡状態の少年エドワードの内面世界に特殊な機器を使って入り込み、内なる彼とやりとりしながら意識の回復を目指す治療に携わっていた。
結果は芳しくなく、キャサリンは自分の内面にエドワードを招き入れる方法を考慮しつつあったが、それは未知の領域でリスクがあった。
一方でFBIのピーターは連続殺人犯を追っていた。
どんどん被害が増えていく中で、ジュリアという女性が新たに誘拐される。
初めは数ヶ月だった犯行期間が数日に短くなっていっていることから、犯人は捕まらない余裕と捕まえて欲しいというメッセージを発しているとピーターは推理する。
その証拠に現場にはフォードの車のタイヤ痕と真っ白な犬の毛が落ちていた。
珍しい犬であるため、ブリーダーの犬の記録と車の保有記録から居場所が判明。警官が突入すると床でこん睡状態になっている犯人を発見する。
また、捜索中地下で女性がある部屋で監禁されているビデオを発見する。
連続殺人犯のスターガーという男は分裂症であることがわかり、依然意識不明であった。
薬物の治療なども難しく、被害者は食べ物と水を与えられているものの監禁されており、水槽にはどんどん水が流れこんでいるため早期な救出が必要となった。
そのため、藁にもすがる思いで、彼の意識の中に入りこみ彼女の居場所を見つけることとした。
彼の意識に潜入したキャサリンは不思議な世界に入り込むことになる。
まず入った部屋でスターガーの子供時代の彼と遭遇することとなる。
次の各部屋では拷問される女性や人形のように扱われる女性がおり、この世のものとは思えないとんでもない光景が繰り広げられておいた。
犯人の心の奥闇が深すぎることをあらわしていた。
あまりの世界観に一度はキャサリンは現実世界に一度引き返した。
だが、ジュリアの部屋では定期的にスプリンクラーが作動し、どんどん部屋に水が溜まっていった。
あらすじ(後半)
スターガーの心の闇は深いものの、少年の彼は一度キャサリンに興味を示したことからまだ改善の兆しがあることを示していた。
キャサリンはもう一度スターガーの精神の中に入ることを決意する。
改めて入った世界ではスターガーは育ての親に虐待をされていた。
お皿を割ってはぶたれ、なにかにつけて暴力を受けていた。
儀式で水の中に沈めらたことがトラウマになったことを告白するスターガー。キャサリンはジュリアのことを聞き出そうとするが、教えないまま立ち去る。
そのころ彼女の背後から悪魔の姿をしたものが彼女を襲い、彼女が夢と現実の境目を認識できなくなってしまうトラブルが発生する。
彼女を助けるためにFBIであるピーターも精神の中に入ることにする。
彼は彼女に個人的な話をすることで彼女の目を覚ますことができると聞いており、高校生のときに弟が死んだことを話し、現実と夢の境目を見つけることに成功する。
再び少年のころのカールと出会い、居場所を聞き出そうとするが、最終的に悪魔に少年時代のカールを奪われてしまい、現実に帰還することとなる。
現実に戻ったキャサリンはみんなの隙をついて自分の意識の中にカールを招き入れる賭けに出る。
彼の世界は闇が深すぎるため、自分の世界に引き入れることでイニシアティブをとろうと言うのだ。
うまくカールを引き込めた彼女はカールの悪魔を追い詰めることができた。しかし悪魔は自分は少年のカールと同一人物のため殺すことはできないという。
少年のカールはキャサリンの腕の中でゆっくりと水の中に沈んでいき、死んでしまう。
同じころ、ピーターは吊り上げ機の販売元からカールの監禁場所を探し当てる。
なんとか水槽を割り、彼女の救出に成功した。
映画ザ・セルのネタバレレビュー
一時期とても話題になった作品であり、かねてから見たいと思っていたが、Amazon prime videoでやっていので見ました。
人の精神の中に入り込むというのはたまにある題材ですが、個人的には清水玲子のマンガ「秘密 トップシークレット」のような世界観でとてもよかったです。
(あれは被害者の脳に入り込みますが)
精神世界の中で世界観ができているものと言えば、サイレントヒル、インセプション、ドクターストレンジなんかもそれなりに楽しめますよね。
大作を感じさせる予感
先述の通り、ストーリー自体は大作を期待できる内容だと思いました。
もう少しひねりがあってもいいかもしれませんが、もっと化け物が出てきたり、とんでもない世界を主人公が体験するというストーリーにするだけでもいい作品ができそうです。
サイコパスを追いかける通常のストーリーは大分映画としては使い古されてきました。
むしろサイコパスに入れ込めるぐらいの親近感のようなものをより出せれば新しい作品としてとても見どころがあるのではないかと思います。
通常の人とは違った視点で世の中を表現する。まるでピカソの絵画を見ているように。
ピカソがどんな風に世界を見ているかわかったらとてもいいですよね。
私たちはピカソを絵を通してでしか見れませんが、同様に今回のカールも殺人の被害者を通して自分を表現していたのです。
それをうまく表すためにはこういう殺人者の意識に入るというのはとてもいいアイデアだと思います。
一方で残念なCGにがっかり
精神世界に入るというとてつもない設定の一方で、描き方はお粗末なのがとても残念だ。
メイクや小道具などは精巧に作られている。一番初めにカールの意識に入った後の世界では馬が何分割にもされて標本にされるところや、各部屋で女性が拷問のように扱われる場所、悪魔が出てきてキャサリンに襲い掛かるところなどは犯人の闇があまりにも深いことを暗示させる素晴らしい世界観が出来上がっている。
一方で、CGのクオリティがあまりにも低すぎるのだ。
ところどころの世界観でのCGは見ているものをしらけさせる。
精神世界へのワープのシーンはひどすぎる。
まるで、スーパーファミコンのスターフォックスを彷彿とさせるCGの粗さだ。
せっかく大掛かりなセットや美人の女優を使ってもこのCGがなんともすぐに現実に引き戻してしまう。
個人的にはインセプションレベルのCG力があればアカデミー賞も取れたんじゃないかと思う作品。メイクなどはいい感じだった分大変に残念だ。
映画ザ・セルの最後に
ジェニファーロペスの七変化はとても楽しめますね。元々セクシーな人ですが、現実と夢の区別がつかなくなってしまった後の彼女は幻想的なメイクでした。
本当にもう少し頑張ればアカデミー賞も狙えたと思うのですが、、、
やはり、こういう世界観を作るのは大変なんですね。