映画ハプニングのあらすじ
アメリカのニューヨークの公園で突然人々が自殺を始める異常事態が発生。はじめ政府はテロリストの攻撃と判断し、人々の非難をはじめる。
高校教師のエリオットは妻のアルマ、同僚の教師で親友のジュリアンと彼の娘ジェスの4人でフィラデルフィアに避難しようと電車に乗りこむが、他の町でも同様の現象が起こることに気づく。電車は目的地まではいかず、緊急事態ということで路上で停車することになる。
立ち往生した彼らは、妻を捜しに行くというジュリアンと別れ、彼の娘のジェスと3人で被害の出ていない地区へ避難を始める。
ジュリアンは道中で現象に巻き込まれ自殺してしまう。
一方のエリオットたちは、進む方向が無くなってしまった人々と出会い、最善と思われる避難場所へ向かう。
その途中で軍関係者が自ら命を絶ち、それに続く人が続出する。
エリオットはテロや軍からの汚染物質の流出ではなく、植物が出す毒素が原因で、人数か少ないほうが助かる確率が高いと予測する。
エリオット、アルマ、ジェス、そして2人の少年と移動を始めるが、少年たちはテロだと思い込んで立てこもっている住人に食料を求めた時、銃で撃たれてしまう。
残された3人で避難場所を模索する途中、風変わりな老婆ジョーンズの自宅で一晩世話になるが、彼女もまた自殺してしまう。
逃げ場が無いと悟った3人は外に出るが、その時には現象は終わっていた。
3ヶ月後。
町には日常が戻り、ジェスはエリオット、アルマ夫妻に引き取られて暮らしていた。
同時期、ヨーロッパのとある地域であの現象が発生していた。
映画ハプニングのネタバレレビュー
M・ナイト・シャマラン自己満足映画と酷評されているハプニングを見ました。
映画自体は正直可もなく不可もなくという感じの作品。これはほめているわけではありません。
お、盛り上がるのか?!そろそろ盛り上がるだろう!お、来たか?!と思っていたらいつの間にか終わっているという相変わらずの風呂敷を広げて全くたたまない感じは彼らしい作品です。
しかも原因解明も特に行われず、変人ぽいおっさんが「植物が悪さをしている!」という突拍子のない発言だけで物語が進みます。
パニック映画の新境地
通常パニック映画といえば登場人物が何かしらの怪物であったり、ディザスターであったり、病気であったり、苦しみながら死んでいくというのが一流なのですが、本策ではパニック映画でありながらずっと静かな流れで物語りが進みます。
原因不明の自殺したくなる衝動に駆られるという前代未聞の設定により静かに人が死んでいきます。そのため盛り上がりに欠けてしまい。見所といえば、はじめのほうの人がどんどんビルから飛び降りるシーンくらいでしょうか。
それもR指定を嫌ってか自殺のシーンはほとんどがカット。
折角いい題材を持ってきているのにそこをカットしてしまうのかという残念さ。
結局ハプニングの原因はなんだったか
それでも気になるのはやはり彼が広げた風呂敷をどういう風に回収したかったかの議論でしょう。
ここからは他の人の説も頭に入れながらの仮説を立てていきます。
仮説①自然の逆襲説
作中でも植物が出すなんらかの物質が影響を及ぼすのではないかという話がありました。
単に植物が進化して環境破壊をする邪魔な人間を排除し出した。
ダーウィンの進化論よろしく適者生存でどんどん人間が死滅していったという考え方です。
ただし、これでは突然始まり、突然終わった理由が説明できないですね。
しかもアメリカの次に突然ヨーロッパで起きるのも地理的な遠さから見ても単純な植物の進化説で済ませるのは無理があるように思います。
仮説②神の間引き説
原因が植物かどうかは置いておいて、これは神の間引きだという説があります。
増えすぎた人間を神様が少しづつ間引くために見えざる手によってどんどん人間を自殺させていくという説です。
この説によると一定数まで間引きが完了するとミッション終了するため生き残った人間がいてもいいと思います。
たしかに作品中でもフィボナッチ数列を説明するシーンがあります(車内で女の子を落ち着かせるため)
つまり繁殖をはじめた生き物はネズミ算式に増えていくことを暗にほのめかし人間が増えすぎたことを言っているのでしょう。
しかし、なぜアメリカの東海岸だけなのでしょうか?中国やインドの人口を考えるとそっちのほうがターゲットになりそうですよね。人口密度ならバングラとかのほうがありえる?
しかもヨーロッパでさらにはじまったのはなぜでしょうか?地域ごとにやっているから?神様がそんな地理的なことをするでしょうか。
そもそももし神様なら根本的に子供が生まれない世の中にしそうじゃないですか?
神様の説にすると一見合理的な説明ができそうですが、ここは敢えてもう1つの説を立てたいです。
仮説③特に意味はない説
はじめに蜜蜂が都会から消えている話が出て来ます。
ググれば出てくる話ですが、これは農薬による影響の説が濃厚です。
作中でも温暖化の影響などの議論が出ていますが1つの結論が、自然がやっていることを人間は単に理論で説明しているにすぎないのだから、それを完全に理解することはできない、という説があります。
回答になっていないと思われるかもしれませんがこれはある意味真理です。
人間は色んな説を科学的に、理論的に説明しますが、それが実際の原因かは必ずしも重視されないのです。
つまり今回も色々な説を出しながらも結局は何が原因かなんて判断できないというのがオチなのかもしれません。
あえてこの作品はあたかも何か自然的な力が働いて異常現象が起きているように見せていますが、この超常的な現象に原因なんてないのかもしれませんね
映画ハプニングの最後に
これを作った監督は今頃今回の原因を議論している人間を見て嘲笑っているのかもしれません。
何か合理的な説明ができるはずと信じて何度も映像を見返したり議論したりしている人を、すべて説明できるわけではないことが世の中にはあるという警鐘を鳴らしているのかもしれませんね。
ぜひもう一度見直してみてください!