シンデレラゲームの評価
★★☆☆☆
数多くのアイドル映画を見てきましたが、ここまで中身がないのもかなり珍しい映画です。
ストーリーは出オチ、展開はご都合主義、そしてお約束の大根演技と三拍子そろってのC級映画。
しかし、通常楽しむ映画以外のアイドルたちを皮肉った演出や、それぞれのアイドルの衣装なんかは結構気合入っていたので★は2つにしておきます。(それがなければ★1ですね)
シンデレラゲームのあらすじ
行方の不明の姉を探しながらアイドルをやっている沙奈は、売れないアイドルたちが集められて行われるサバイバルゲーム「シンデレラゲーム」に強制的に参加させられます。
勝てばトップアイドルへの道が開け、負ければ死が待っています。
シンデレラゲームは1日1回行われるカードバトルで勝敗が決まり、そのためのカードは島中に散らばっていました。
沙奈は同じユニットのエリナとともに島にあるカードを集めます。
また、このゲームにはオプションカードというものがあり、それはポイントと交換で手に入れることができます。
ポイントの内容は不明でした。
初日のカードバトルで勝利した沙奈はその後も順調にカードを集めていき、勝ち進みます。
結末ラスト
決勝まで進んだ沙奈とエリナでしたが、エリナは前回大会の優勝者である、という理由で処刑されます。
沙奈の決勝の相手は行方不明だった姉・沙里でした。
彼女は前回大会でエリナに敗れてからはシンデレラゲームの運営者に協力していました。
兄弟対決に最強のカード「ガラスの靴」で沙里に勝利した沙奈は、後悔と混乱でおかしくなりそうでした。
しかし、カメラが向けられると満面の笑みを浮かべるのでした。
シンデレラゲームのネタバレ感想
アイドル映画を象徴するような映画であるこのシンデレラゲーム。
いえ、むしろアイドル乱立の最近の芸能界をあざけわらうような設定にはとても興味深い作品です。
脚本はガバガバ
はじめに言いたいことはこれはアイドル映画であり、通常の映画としては極めて脚本がガバガバということです。
シンデレラゲームという魅力的な名前がついていますが、オプションカードは後からの説明ですし、正直通常カードがいくらあっても勝てないですし、知略戦略もありそうで全然作りこまれていないのでとにかく行き当たりばったりのゲームになります。
しかもラストはガラスの靴というどんなカードにも勝るというチートカードまで飛び出す始末ですから。
ですのでライアーゲームやカイジのようなものをイメージするとがっかりすることでしょう。
設定が皮肉で面白い
ですが、アイドル映画としては中々の魅力的な作品ではないでしょうか。
まずアイドル映画で、落ちこぼれアイドルを描写すると言うのは中々皮肉がきいていて面白いです。出演している落ちこぼれアイドルたちの演技が大根すぎて「確かにこれは落ちこぼれるわ」というリアルな感じがとてもあっています。
アイドルポイント
この映画で沙奈が買ったのはポイントによるところが大きいです。
カボチャの馬車しかり、ガラスの靴しかり、このポイントをいかに高めるかが重要になります。
そういう意味でラストで明かされるポイント=ファンの人気投票(投げ銭?)だというのは面白いです。
つまり、結局どんなに極限状態になっていようと「常にアイドルらしい立ち居振舞いを見せ続ける」ことが重要だ、というゲームになっているのです。
これはメッセージとして大変面白いと思います。
ラストの沙奈の笑顔
ゲーム終了後に狂ったように暴れる沙奈でしたが、カメラが向けられた瞬間の笑顔はもうアイドルの顔でした。
親の死に目にも会えないのがアイドルであれば、どんな時でもファンのために笑顔を作るのがプロ、ということでしょうか。アイデアとしてはとても面白く、つまらない脚本や盛り上がりの無いゲームの中でも印象に残った瞬間でした。
最後に
主人公の山谷花純よりもエリナのほうがかわいかったし、存在感もありましたね。山谷花純って悪の教典だったり、人狼ゲームプリズンブレイクだったり、結構私の見ている映画で出てくるのですが、正直影が薄すぎる。。。。