「エンドレス・フィアー」のネタバレ感想・結末を解説

アマゾンプライムで見れるエンドレスフィアーを見ましたのでレビューしていこうと思います。エンドレス・フィアーは他人のレビューもなかなか評価が分かれているのでどんなホラーか楽しみですね。

エンドレスフィアーの評価

80/100点

エンドレス・フィアーは個人的には面白かったです。

少し手加減された表現は散見されましたが、最後はそれなりにすっきりです。

あらすじ

エンドレス・フィアーの物語は刑務所で警察官らしき人にリンダが話しをしているところからはじまります。
麻薬の売人であり、自身も中毒者であるリンダには子供がいます。
リンダの旦那は刑務所の中におり、リンダ自身は別の男性に夢中になっており、子供はシッターに預けるか、常に放置されている状態でした。
ある日リンダが恋人(と本人は思っている)相手の家に行くと女性がおり、リンダは激怒します。
関係がもつれ、最終的に恋人は警察を呼び、リンダは家宅侵入、薬物所持、育児放棄の罪で逮捕されてしまいます。

リンダは裁判により、子供の養育権を失い奈落の底に突き落とされます。
自暴自棄になっている彼女は相変わらず麻薬、売春、盗みにどんどんはまっていくのでした。

ある夜、出入り禁止になったバーから追い出されたリンダは車から話しかけてきた中年の男性に売春を持ちかけます。
車に乗ったリンダは突然口に布をあてられ気絶してしまいます。

目覚めたリンダは林の中で首をワイヤーでつながれた状態でいました。
近くには白い筒がでており、そこから声が聞こえます。
「喉が渇いてしょうがないの。水をちょうだい」

なんと周りには地面に埋められた人たちが何人もいるのです。

リンダを連れ去った男はジャスティスと名乗り、リンダのケガした足を治します。

ジャスティスは地面に埋まっている連中はろくでもない奴らだと罵ります。

そしてジャスティスはリンダに瓶と書くものを渡し、これに願いを書いて埋めるように言いました。

ジャスティスはリンダに話しかけます。生活のこと、子供のこと、家庭環境のこと。

しかしジャスティスはリンダが子供の養育権を失っていることを責めます。

リンダははめられたのだといってもジャスティスは聞かず「朝までに誰かを殺すからその人物を選んでおけ。どいつもこいつもろくでもない奴で、酔っぱらって7歳の子をひき殺したり、13歳のこと肉体関係を持ってもいいと思っているようなやつらだ」と言いました。

リンダはジャスティスが去った後リンダと話します。逃げようとして尖った石でワイヤーを切ろうとしたこと、それがトラックに隠してあること、自分が死んだら子供に愛していると伝えてほしいということ。

翌日リンダがもう少し時間が欲しいというと怒ったジャスティスはリリーの筒を抜いてしまい、窒息させました。そしてリンダの願いの書かれた瓶を埋めました。

リンダはジャスティスに乗せられて子供たちが遊ぶ公園まで連れていかれました。リンダは懐かしい思いと帰りたい思いから顔がゆがみます。諭すようにジャスティスはリンダを責めました。

監禁されたリンダは必至の思い出リリーの尖った石でワイヤーを切りました。

ある日ワイヤーがついに切れてダッシュで逃げ出しましたがジャスティスに見つかり戻されてしまいます。ジャスティスはリンダに麻薬を勧めましたが彼女はそれを断りました。

ある日ジャスティスがリンダに穴を掘るようにスコップを渡します。リンダはスコップを使い、隙を見てワイヤーを切ります。リンダは走り助けを呼ぼうと道路まで行き、道行く車に救出されました。

 エンドレス・フィアーのラスト結末

病院で警官に事情を話しても犯罪者で麻薬中毒のリンダの言うことなど真に受けてくれませんでした。

それどころか他にもそんなことを言う麻薬常習者が3人もいることがわかりました。

しかも彼女には拷問の跡もなくシャベルの跡以外は健康そのものだったのです。

刑務所にいるリンダは話し終わった後、自分が罪を最後まで償うつもりだと調査官に伝えます。それどころか調査官がくれたタバコさえも突き返し「やめるつもりだから」と伝えます。

そこから色々な人のそれぞれの役割が明らかになります。リンダの父が署名し、更生プログラムに参加することを承認すること、ジャスティスやリリー、その他の埋められた人たちはたくみに設計されたやらせであり、すべて計画されたうえでの出来事でした。

全てカメラで監視されており、そこでは多くの人間が更生プログラムに参加している様子が録画されていました。

また、一人更生プログラムに参加する人が現れました。リリー役の女性はマイクに口を近づけ一言いいます「お水をくれない?」

エンドレス・フィアーのネタバレ感想・解説

繋がれた自分、埋められた人間たち、不思議な紳士、意味のわからないことを言い続ける紳士。

エンドレス・フィアーはソウに代表されるシチュエーションスリラーの展開です。

なぜ自分がここにいるのか、理由はあるのか、物語はここからスタートします。

そこで理不尽な選択を迫られます。

自分が誰かを選ばなければならない。

まるで、犯罪人を裁く裁判官か陪審員のように。

監禁した男が言うには全員なにかしらの犯罪者が埋まっており、その中で誰を殺すかを決めなければならないのでした。

エンドレス・フィアーのラストがどう落ち着くのかな?というワクワク感に見事答えてくれました。一言で言えば、精神的ショック療法。

一部トラウマが残る気がしますがこの手のハッピーエンドは昔やっていたテレビのストーリーランドなんかが得意としていた流れですね。

しかも気付くポイントはいくつかあったように思います。ちゃんと視聴者にも予想が付けられるようにいくつかフラグがありました。

・殺害シーンが一切ない(銃で殺す場合も木の陰で殺害)

・わざわざ外に出て連れ出し子供の姿を見させて諭させる行為

・厳しい言葉の端々でエンジェルと呼んだり人としての一定の尊厳を保たせている

・緩すぎるワイヤーでの拘束

・手の喋るのマメ以外拷問の跡が一切ない

・自分以外にも3人同様の被害者がいる

自分ではなく、他人の命綱を手に持つことで生と死を実感でき、監禁されている中で、もう一度子供に会いたいと思うことで生きる希望を見つけました。

麻薬で生きる希望も力も失っていた彼女にとってもう一度人生を心からやり直したい、死にたくない、生きてもう一度子供に会いたいと思うことが更生の第1歩なのでした。エンドレス・フィアーとはまさにエンドレスで続く恐怖を食い止めるショック療法です。

スリラーの祖SAWのジグソーも似たような志を持っていました。

SAWのラストでジグソーが言うセリフ「多くの人間が生きていることに感謝できていない。でも君はこれからは違う」とゲームプレイヤーに伝えます。

実際これにより麻薬中毒のアマンダなどは復活することができました。(SAWの場合はやり方が拷問のそれなのと、意思を継いだ人たちが拷問のところばかり真似をして思想が歪みすぎてしまいますが)

また、最近見た映画サンズ・オブ・ザ・デッドでもゾンビとの長い逃避行の末に麻薬を絶ち、家族を取り戻すことを決心した女性がいました。こういうホラーなのにハッピーエンドなのは心が温まります。