感染時代到来!映画コンテイジョンのネタバレ解説

多くの賞と多くの有名キャストを使った作品です。

コンテイジョンの見どころは?あらすじ・ネタバレを解説!!

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コンテイジョンのキャストとあらすじ

出演: マット・デイモン, ジュード・ロウ, ローレンス・フィッシュバーン, マリオン・コティヤール, ケイト・ウィンスレット
監督: スティーブン・ソダーバーグ

【あらすじ】

ミッチ(マット・デイモン)の妻・ベス(グウィネス・パルトロー)は、香港への出張後にシカゴで元恋人と密会していたが、せきと熱の症状が出始める。同じころ香港、ロンドン、東京で似たような症状で亡くなる人が続出。フリージャーナリストのアラン(ジュード・ロウ)は、伝染病ではないかと考え始め……。

コンテイジョンのレビュー

さて、また評価が分かれそうな映画を見てしまったというのが第一の印象。

こういう時は表面的な印象と立ち止まって考えてみたときの印象を両方書くのが賢明なレビューの書き方になるだろう。

まず表面的な印象。

コウモリの持つ寄生虫と豚の持つ寄生虫が入り交じり、新たな病原菌が発生した。

100年前に流行ったスペイン風邪よろしく世界人口の1%が減るほどのパンデミックが生じるのか、科学者たちの戦いがはじまる。

まず発症したのは香港に出張したアメリカ人女性。その後アメリカでも病原菌は蔓延し、多くの感染者が出た。

政府はすぐに警告を出し、社会的混乱を避けるために情報をすぐ封じる策にでる。

一方でCDCはワクチンを作るべく対策に乗り出す。その過程でCDCの仲間のドクターも命を落とすこととなる。

その頃自称フリージャーナリストのアランは政府が事実を隠蔽していることを指摘、自身は「レンギョウ」を特効薬だと自分のSNSから発信。多くの人の支持を得ていた。

最終的にワクチンの開発に成功したCDCは公平にくじ引きにて優先順位を決め全人類にワクチンを配っていった。

結果的にパンデミックの危機は去った。

さて、この映画を単純なB級パニック映画として見た場合ははっきり言って物足りないとしか言いようがないでしょう。

ワクチンの取り合いや偽物だったがレンギョウの取り合いについても暴動は甘いものだったし、もっとパニックの取り方があったはず。

ゾンビ映画が怖いのは噛まれるとうつり、うつると化け物になってしまうから。

もし本当に単にパニック映画を作るのであれば感染経路を確定(触ったらうつる等)し、一つの都市で発生させること、また発症したら見るも無残な外見の病気にすることが考えられます。

しかし本作は単なるパニック映画ではないのでしょう。

残念ながらそのことに気づいたのはキャストの豪華さゆえ、パッケージの段階からとても気になっていたが、本作のキャストは以下の通り、

マット・デイモン

ジュード・ロウ

ローレンス・フィッシュバーン

マリオン・コティヤール

ケイト・ウィンスレット

いずれも超主役級、オスカーやアカデミー賞ノミネートの実力派の俳優ばかりである。

おい、マット!お前ボーンなんだろ?だったら補給物資やワクチンぐらいいくらでも分捕ってこれるだろ?!

それ以外にもいくらでもつっこみができるくらいそれぞれが代表的な作品を持っている役者さんばかりです。

しかし今回マットデーモンに至ってはとにかく悲しみに浸るだけ、社会が荒んでいく姿の目撃者、記録者でしかありません。

もっと言えば、ベス(グウィネス・パルトロー)は開始数分でまさかの死亡。

ん?友情出演か?と言いたくなる出演時間ですが、ちゃんと出演者の一人でした。

ではソダーバーグがこれら名優を集めて伝えたかったことは何か?

それを解くカギは本作の俳優の決まり方にあります。

本作でまず配役が決まったのはマットデイモンとジュードロウです。

マットは先ほど書いた通り、社会の荒廃の目撃者です。

もう一人の立役者はジュードロウなのです。

彼がやったことを整理しましょう。

・情報の秘匿や歪曲、ワクチンの占領など政府の陰謀論をでっちあげる

・死亡者の数を過大に言い、パンデミックをでっちあげる

・自身が「レンギョウ」により治癒したと嘘の薬をでっちあげる

・それらをSNSで発信する

・最終的に情報を売るもしくは株で儲ける

つまりこの行為こそが今回の映画の主題であったといえるでしょう。

結果的に、実際にどれくらい人が死んでいるのかもわからないのに人々はうろたえました。

本作では実はそれほど多く死人は写っていません。道路に死体の山ができれば納得ですが、道路にあるのはゴミや車の残骸、略奪の跡しかありませんでした。

つまり実はそれほど死者は出ていない可能性があるのです。

結果的に人々は自分たちの生活を捨て、街を出ていきました。

レンギョウにしてもそうです。デマにより、薬局が略奪、焼き討ちにあいました。

それどころか作中では全く関係ないワインショップまで略奪にあっていました。

そのほか、レンギョウを求めて人々は他人の家まで入って漁るようになりました。

CDCの職員の家、という理由だけで不法侵入されるケースもありました。

これらは一個人が全く事実に基づかない情報を人々の不安につけこんで成し遂げた、ということが本当の恐怖なのです。

そして本作の題名コンテイジョン=感染ですが、これは菌の感染ではなく、不安の感染です。

おそらく実際に病気で死んだ人もですが、略奪等により死んだ人も相当数いるように思います。

インターネットンのいいところであり、悪いところでもあります。

少し話が反れますが3.11の時にも多くのデマがネットで流れました。放射線にはカリウムが利くといい、サプリ市場からカリウムが消えました。

また、水が止まるといううわさが流れ、スーパーから水がなくなりました。

人間の怖さというのは実はこういうところにあるのかもしれません。

恐怖が先行すると正常な判断ができなくなります。そして恐怖は常にどんな情報や感情よりも先行して広まっていきます。

本作ではそんな恐怖を私は裏で感じ取りました。

 コンテイジョンの最後に

コンテイジョンは何とも静かな恐怖を示唆している映画だと見ました。

でも言わせてほしいです。

それでも役者の無駄遣いだと、、、、、w

あともう一つ。ジュードロウがあと一歩だったと思っています。

ジュードロウ自身は役者で演技が一流であることは認めますが、彼はアマチュア正義よりも本当の正義のほうが似合います。むしろ彼は騙すよりも騙されるぐらいのほうが似合っています。

黒に近いアマチュア正義だともう少しいいキャラがいたような気がするんですよね。。。。それだけがひっかかっていました。

もしよろしければhuluでも見れますのでご覧ください!