映画「スリーデイズ」のネタバレ感想・解説【すべて彼女のために】

映画スリーデイズのネタバレを書いていきます。もともと「すべて彼女のために」という映画のハリウッドリメイクの映画です。

ラッセルクロウの演技が光る好きな映画の一つです。

【キャスト】
ラッセル・クロウ、エリザベス・バンクス、リーアム・ニーソン

【スタッフ】
監督/脚本/製作:ポール・ハギス
製作:マイケル・ノジック、オリヴィエ・デルボス、マルク・ミソニエ/製作総指揮:アニエス・メントレ、アンソニー・カタガス/共同製作:ユージニー・グランヴァル
撮影監督:ステファーヌ・フォンテーヌ,AFC/美術:ローレンス・ベネット/アビゲイル・マーレイ/編集:ジョー・フランシス/音楽:ダニー・エルフマン/キャスティング:ランディ・ヒラー

【あらすじ】

大学教授のジョン(ラッセル・クロウ)は妻子と共に幸せな日々を過ごしていたが、ある日妻のララ(エリザベス・バンクス)が殺人の容疑で逮捕される。
それから3年、ジョンは妻の無実を証明するため懸命に奔走していたが、覆ることなく刑が確定してしまう。
絶望した妻が獄中で自殺を図ったことを知り、彼は自らの手で妻を取り戻そうと決断する。
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【レビュー・ネタバレ】

元々はフランスの映画「すべて彼女のために」のハリウッド版です。
元の映画も見ましたが、ハリウッド版のほうがいいです。
理由はたった一つ。
ラッセルクロウが天才的な演技をするから、です。

ラッセルクロウという人は本当に器用な人です。

グラディエイター、ビューティフルマインド、ロビンフッド、そして本作とそれぞれで強さと弱さをうまく表現できる天才だと思います。

本作では無実の罪で妻が捕らえられ、全てを捨て脱獄させようとする平凡な男を演じています。
職業は大学教授、愛車はプリウス、犯罪とは無縁そうな印象のこの男が脱獄を計画するなど誰が考えるでしょうか。

途中友情出演するリーアムニーソンに色々教わり最後ぼったくられるあたりも情けないし真面目な味が出ています。

また、偽造パスポートを作ろうとしてボコボコにされます。
周りの人間からは犯罪者の妻を持って白い目で見られます。
息子は犯罪者の母親ということでいじめられ、父親として打ちひしがれます。

そんな情けなくて弱いジョンですが、彼の芯の強さを支えるのは一つ

「君はやっていない」という思い。

ある日妻のララが刑務所で自殺を図ることから脱獄の計画を決意
そして刑務所でララに言うこのセリフ

「君の人生を取り戻す」

このシーンは印象的ですね。

綿密な計画を立てて当日の実行を待ちます。
私が特にいいと思ったシーンは父親との最後の別れです。
父親がジャケットの中に海外行きのチケットを3枚見つけ、察します。
普段無口な不器用そうな父親が今日は珍しくハグして黙って見送ります。

なんとも数秒のシーンですが、とてもジーンときます。

最後脱獄の瞬間はじまればもう戻れません。
一度は子供を見捨てようか迷うシーンもありますが、最後の最後で飛行機に滑り込みます。
飛行機の中で妻と子供の何年振りかの寄り添う姿を見てとても彼は満足そうに幸せそうな顔をします。

結末ラストシーン

ラストシーンはアメリカで、再度ララの捜査が行われているところで終わります。
刑事はララのボタンを落としたという証言を元に排水溝を開けます。
何年も前の話ですが、ボタンは確かにそこにありました。
しかし、結局刑事は排水溝でボタンを発見できませんでした。
ララは本当に無罪でしたが、もうそれはどうでもいい話です。
すでに海外にいる彼らは幸せをつかんでいるのです。
ちなみにフランス版の原作ではここのラストはありません。彼女は本当に犯人かどうかわからないまま終わります。結局彼にとって妻が犯人かどうかは重要ではないというメッセージなのだと思います。
大事なことは彼が言っていたこと「君はやっていない」と彼自身が信じていることだからです。

【最後に】

物語としては平凡な部分もありますが、なんとも現実的で不器用な男たちが繰り広げる愛の決死行がとても感動します。
また、ラッセルクロウの力強い名シーンが多い作品です。予告編だけでもかなりわくわくします。
自分はすべてを捨てて妻のためにアクションを起こせるか正直自信がありません。
知らない国で身内も友人も全くいない中で生活していくことを決断できるのだろうか。
色々考えさせられますが、自信をもっておすすめできる作品です。