評価・レビュー
★★★☆☆
「思ったほどでは。。。。」
ハイテンションのアレクサンドル・アジャが監督を、サム・ライミがプロデューサーを務めている話題作でした。
はじめの期待が高かった分、思ったよりも盛り上がりのシーンに欠けてしまったため普通の作品になってしまいました。
二人の鬼才の才能を無駄遣いしてしまったというか、打ち消してしまったというか。
ワニはリアルで、作りはしっかりしているので、最後までは見れる作品です。
あらすじ
ヘイリーは父と二人三脚でずっと競泳をやっていました。
大学になり、家を出たヘイリーは中々競泳のタイムが出なく、悶々とした日々を過ごします。
ある日、巨大なハリケーンが近づく中、姉のベスから父と連絡が取れないと連絡がきます。
仕方なく様子を見に行くヘイリーですが、自宅には愛犬のシュガーだけで父はいませんでした。
方々探すうちにヘイリーは昔家族で住んでいた家に行ってみることにします。
空き家になっていた旧家を訪れると父の車とキッチンには父の携帯があります。
ヘイリーが地下を探すと父が重傷を負って倒れていました。
しかも地下には今にも水が入ってきそうなうえに、この大雨によってワニ園から逃げ出したワニたちがヘイリーたちを襲ってくるのでした。
ネタバレ感想
評価にも書いた通り、サム・ライミとアレクサンドル・アジャのホラー界のスーパーコンビが組んで期待値はマックス。
サム・ライミといえば死霊のはらわたが有名でしょうが、個人的にはスペルやポゼッションもとてもおすすめの作品です。
そして、アクレサンドル・アジャも素晴らしい作品が多いです。
ハイテンションはもちろん、P2なんかはホラー映画ファンも唸らせる名作が多いです。
さて、そんなゴールデンコンビが組んだら1+1が3にも5にも10にもなりそうなところですが、残念ながら1+1=1.9ぐらいになってしまった感じです。
ワニ映画として
ワニ映画なら、ブラックウォーターやマンイーターンなどこれまでも作品が作られてきました。間違いなく、このクロール~凶暴領域~もワニ映画として今後名前の挙がる作品になることでしょう。
特に今回は親しみやすいサイズのワニで、街中にワニが入ってくるという展開。
しかもB級設定のわりにしっかりと作られているので普段B級映画を見ない人でも納得の作品となることでしょう。
問題点は2つ
それでもやはり評価が上がりきらないのは2点あります。
一つ目の問題はワニが水の中にいるといまいちその存在が薄くなってしまうこと。これはサメ映画でも同様のことが言えまして、サメは頑張って空を飛んだり、幽霊になったり、顔が3つも4つもついたり、メガロドンのように映画のために巨大化したわけです。
さらに今回はリアルなサイズのワニなので小さくて見えにくい。しかも前半は特に床下で暗いのでさらに見えにくい。
二つ目の問題はワニに食いつかれても結構みんなタフなこと。足やら手やらワニに結構長い間食いつかれてたりしてもそのあと平気で泳いでいたり、腕を食いちぎられても平気で梯子を昇ったりと「あれ、意外にワニって攻撃力弱い??」となってしまうわけです。
ゾンビに一口かまれるとアウト、サメにかまれたら半身持っていかれて死亡というのに比べると少し迫力に欠けました。
最後に
それでもやはり2大スター監督だ、という期待感が先行してしまいました。ホラー映画好きには物足りなさが残るところです。それでもこういう大衆向けのワニ映画が出るのはいいことですよね。
少し前だとMEG ザ・モンスターなんかも流行りましたしね。