ストレンジャーズ 地獄からの訪問者の評価
★★★☆☆
ファニーゲームを金字塔とするいわゆる不条理系の映画作品です。
この手の映画は淡々と理不尽に殺人が行われていくので見る人を選ぶ作品ですが、いい意味でも悪い意味でも「新しいものが見当たらない作品」です。
ストーリーはあってないようなもので、「なぜ私たちが?」という疑問を特に解決することなく、また犯人たちが誰だったのかもわからないまま物語が進んでいきます。
そのため、正直「何も残らない」ので必然的に評価もニュートラルになります。
むしろ、銃もショットガンも車も携帯も使えるのに、さほど応戦できていない主人公たちに少し幻滅します。
襲う側もマスクはいい感じに雰囲気が出ていますが、殺人を楽しんでいる雰囲気もないですし、やはり「人らしさ」や「頭がおかしい」ぐらいのカラーがあったほうがよかったかもしれません。
もう一度いいますが、見終わった後に何も残らない作品です。
ストレンジャーズ 地獄からの訪問者のあらすじ
マイクは妻のシンディ、息子のルーク、娘のキンジーの家族4人で、キンジーが全寮制の学校に入る前の思い出として叔父のキャンプ場へ遊びに来ていました。
叔父はいなかったのでトレイラーに先にチェックインした彼らでしたが、ふとノックの音に気付き外に出ると仮面をかぶった女性がいます。
一度目は何もせずに帰り、また来た時には「タマラはいませんか」と訊いて帰っていきます。
その後、やはり一筋縄ではいかない家族仲はこじれてしまい、キンジーはトレイラーを飛び出します。仕方なく、兄のルークが彼女を探しに出かけます。
2人が仲良く話をしながらふと叔父の管理等へ行くとそこでは叔父と妻の惨殺死体がありました。
パニックになった二人はこのことを両親に伝えようとトレイラーに戻ろうと走り出します。
その頃マイクたちのもとにはまた仮面をつけた女性が「タマラはいませんか」と訊いてきました。
夫婦は不気味に思いルークたちを探しに出ました。
ルークたちを合流したマイクは叔父の死体の話を聞き、真実を確かめるために自分たちは管理等へ、キンジー達には自分たちのトレイラーに戻って警察に通報するように指示します。
しかし、トレイラーに戻ったシンディとキンジーは仮面をかぶった女に襲われ母親のシンディが殺されてしまいます。
同じころ、マイクたちはズタ袋をかぶった男に襲われるのでした。
ストレンジャーズ 地獄からの訪問者のネタバレ感想
この「ストレンジャーズ 地獄からの訪問者」は前作「ストレンジャーズ 戦慄の訪問者」の続編にあたる作品です。
前作はこちら↓
内容からしても特に前作を見ていなくても十分楽しめる作品になっています。
不条理系の映画の金字塔と言えば、ファニーゲームが挙げられますが、残念ながらファニーゲームには遠く及ばない作品です。
絶望感は十分あるものの、主人公も襲う側も頭の悪さが露呈してしまい、いまいち緊迫感がないというのが正直なところです。
襲われる側の問題点
襲われるが側のマイク一家ですが、銃もありショットガンもあり、車も携帯も電話もあり、というもはや一体どうやって逃げようかいくらでも思いつく状況にありながら劣勢を強いられます。
しかも相手は刃物を持った女二人と男一人、殺しに長けているわけではなさそうですし、迫力もありません。そんな彼らに苦戦して殺されても「いや、弱すぎるでしょ」という想いが先に来てしまい正直絶望というより情けないと言う感情のほうが先に来てしまいました。
襲う側の問題点
襲う側のマスクをかぶった彼らは正直大健闘でした。マスクをつけて不気味に近づく彼らはこの映画を1ランク上に導いています。
強いて言えば、キャラが無さ過ぎるところでしょうか。
殺人マシーンのように淡々とした殺しを演じているつもりなのでしょうが、はっきりいって迫力が無さ過ぎます。
もう少し殺しを楽しむくらいの心の余裕があれば4人とも殺せたのではないでしょうか。
加えてメンバーが男1人、女2人というのも少し心もとないです。
特に女二人のうち一人は特に役に立つこともなく死んでいますので、やはりメンバーは慎重に選ぶべきだったのでしょう。
最後に
よくある「実はカルトでした」というオチもなく、ラストは「なんかノックされてる」という怖いんだか怖くないんだかよくわからない最後です。
しかも今回は前作と違い襲う側が全滅するという前作ファンにはがっかりの展開。
不条理系の映画が好きな方は一度(自己責任で)ご覧ください!