ヴァイラスの評価
★★★☆☆
ターミネーターとエイリアンとゴーストシップを足して5で割ったような映画。
B級映画と思えばそれなりの作品ですが、ハリウッド映画を期待すると少し残念です。
アクション、パニック、ホラーのそれぞれが少しづつつまみ食いで、楽しめるので暇つぶしに頭からっぽにすると楽しめる作品です。個人的には割り切って見れるので好きな部類です。
ヴァイラスの映画あらすじ
エバートン船長は運搬船シースター号で航海中、嵐に遭遇し積荷を失ってしまいます。
全財産を失い失意のどん底にいる彼とクルーところへ、海を難破していたボルコフ号を発見します。
クルーのフォスター、ベイカーたちはボルコフ号へ乗り込み生存者を探しますが誰もいません。
ふと、エバートン船長はこの船をロシア政府に引き渡すことによって莫大な報酬がもらえることに気づきます。
喜ぶ彼らは船を再起動し、船を動かし始めると突然人型のロボットが彼らに襲い掛かります。それはこの船の船長だったのです。
ヴァイラスのネタバレ感想
人間VS機械といえばまず思い出すのはターミネーターです。ただし、今回の機械は人間の一部を機械化して有害電気がのっとるという劣化版機械でした。
しかし個人的にはなんだか憎めない作品です。
宇宙の有害電気が人間を機械に改造する、というトンデモ設定であるものの、それなりに改造もいい感じの出来で、下手なCGを使ってかくかくの画面を見せられるのに比べれば楽しませてもらいました。
顔だけ人間なのは往年の初代「ロボコップ」のピーター・ウェラーを思い出しました。
名演の役者たち
そして、このトンデモ設定を”映画たらしめている”のは名役者たちです。
特にフォスター訳のジェイミー・リー・カーティス、エバートン船長演じるドナルド・サザーランドです。
ジェイミー・リー・カーティスは映画ハロウィンのホラーからトゥルーライズのようなアクションコメディまでこなす実力派で彼女の「叫び」はもはや芸術的演技です。(実際「絶叫クイーン」、「悲鳴の女王」と呼ばれているようです)
不気味な船長を演じるドナルド・サザーランドも癖のある演技ですが、やはり強欲な船長をうまく演じ、自ら機械兵に志願するなどとんでもない個性を発揮します。(余談ですが、ドナルド・サザーランドはドラマ24のジャック・バウアー演じるキーファーサザーランドの親父です。よく似てます)
この映画では彼ら出演者が同じ方向にいくことなく、ある人は戦い、ある人は絶望し、ある人は逃げる。そんな人間模様が機械人間というトンデモ設定をちゃんと映画という物語に落ち着かせています。
人類こそウィルス
このヴァイラスはウィルスと日本語で言えますが、はじめはパンデミック系のパニック映画かなと思ったのですが、むしろ人間こそ地球に救うウィルスだ、という話でした。
これ聞いた瞬間に漫画寄生獣を思い出しましたね。
元ネタはどちらなのかわかりませんが、どこの国でも同じことを考える人がいるんですね。
最後に
元々はコミックが原作ということでおそらくいろんな設定が省かれたせいで色々細かいところが気になる人には世界観がなじめなかったことでしょう。
宇宙で電気?機械なのに胸は人間の肌?電気落とすと動けない?ロケットで脱出?
細かいことは気にせず、広い心でぜひ見てください!