評価・レビュー
★★★★☆
クリスマスホラー決定版不在の中、1つの良作を発見。それがこのクランプスです。
モンスターパニックものとしては普通の出来ではありますが、クリスマスという設定でのホラーとしてここまで楽しめれば十分です。
当然クリスマスに見たほうが盛り上がります。
あらすじ
マックスはクリスマスを楽しみにしています。彼はサンタクロースを信じていましたが、一つだけ憂鬱なことがあります。
それは仲の悪い意地悪な叔母の一家が来ることです。
今年のクリスマスも例年通り険悪な雰囲気になり、マックスが隠していたサンタへの手紙をいとこのスティービーに見られてしまい笑いものにされます。
怒ったマックスは部屋に戻り、サンタへの手紙を破り捨てて窓から捨ててしまいます。
翌日のクリスマスイブ、マックスの家の近くはすべて停電になり、外は猛吹雪になっています。
マックスの姉のベスは彼氏のデレクと連絡がとれないため彼の家に様子を見に行きますが、その途中巨大な怪物クランプスに襲われてしまいます。
クランプスはクリスマスに感謝しない人たちに感謝のきもちを思い出させるために現れる怪物でした。その後もマックスたちはクランプスとその手下の化け物たちに一人、また一人と襲われていくのでした。
結末ラスト
祖母オミからクランプスの正体を聞き、震え上がる一行でしたが、父親のトムはみんなを連れて除雪車のところへ行くことを提案します。
しかし、結局マックス以外は全員クランプスに連れていかれてしまいます。
マックスは勇気を出してクランプスに向かって、クリスマスを軽んじたこと、手紙を破ったこと、彼が家族なんていなくなればいいと祈ったことを謝ります。
クランプスはマックスの言うことを聞いていましたが、彼を捕まえると地面の割れ目の中に放り投げます。
万事休すかと思ったマックスですが、目を覚ますとそこはまたクリスマスの夜でした。
階下に降りると家族は全員集まっています。すべて夢だったかと思ったマックスですが、クリスマスプレゼントの中にクランプスの鈴を見つけます。
それを見た家族の表情は固まります。
全員が同じ経験をしており、クランプスに襲われた夜を覚えていたのです。
マックスはすべてを悟り、クリスマスを心から祝うことを誓うのでした。
ネタバレ感想・解説
クリスマス映画といえば何を思い浮かべるでしょうか?
クリスマスキャロル?ホームアローン?ダイハード?
おそらくその中でホラー映画を出す人はいないでしょう。
クリスマスのホラー映画不在は深刻で、12月は悪魔にとって最悪な月なのです。
さて、そんな中で久しぶりのクリスマス当たりB級映画がこちら、クランプス魔物の儀式です。
クリスマスの悪魔
これまで多くがクリスマス、というよりはサンタクロースを悪魔化したホラーがよく作成されていました。
例えばこちら、サイレントナイト
映画サイレント・ナイト~悪魔のサンタクロース~のあらすじとネタバレ感想
サイレントナイト 悪魔のサンタクロースは正確にはサンタの悪魔ではありませんが、サンタに扮した殺人鬼の話です。
一方で今回は裏サンタのような存在でクリスマスを信じない人間を容赦なく攻撃するというトンデモ化け物です。
しかも特に特別な儀式は必要なく、多少の家族の不仲と一時的なクリスマスへの冒涜によって突然現れ、圧倒的な力で家族を粉砕していきます。
全滅まっしぐらな展開
マックスのお姉さんベスが映画のはじめに早々にスクリーンアウトしたところから怒涛のスピードで、子供が拉致⇒リジェクトされていきます。
化け物もはじめはおもちゃの延長線上にあるような ちゃちい相手でしたが、後半は巨大なクランプスをはじめ、その部下のような不気味な仮面をつけた奴らが取り囲む絶望的展開でした。
逆に言えば、ここまで子供が死ぬ映画なら絶対ラストはアレだなと読めるシナリオでした。
ラスト結末の解説
ラストは一言で言えば夢オチでした。
祖母のオミのときはオミを残して家族は全滅しましたが、今回はマックスがクリスマスの感謝の気持ちを忘れていないという告白をラストすることで、時が戻り全部元通りになりました。一方で家族全員クランプスにやられたことは覚えており、今後も家族はクリスマスを大事にしましたとさ、というオチです。
クランプスが現れる条件も緩ければ、許される条件も緩いなんとも設定はガバガバな映画ですが、まあクリスマスホラーはこのレベルでも面白いというまだまだ発展途上の段階なんですね。
最後に
クリスマスにホラーを見たいと思ったらこのクランプス 魔物の儀式はおすすめです。
この映画を見たあとにはまた違った気持ちでクリスマスを迎えられることでしょう。