ジョーカーゲームの評価
★★☆☆☆
設定はよくある「カイジ」のようなゲームをして命やらお金やらを賭け合うたぐいのお話です。
しかし、正直脚本が甘すぎるのでお話としてあまり成り立っておらず、知能戦というよりはわがままなアイドルたちが一人づつ消されていくのを眺める作品になっています。
最近はライアーゲームをはじめ、ゲームでの知能戦が当たり前になってきているので、この手のアイドル作品とはいえ、もう少しゲームに知的刺激があるとよかったかと思います。
ジョーカーゲームのあらすじ
先進国の中でも学力低下が著しい日本を救うために文科省が実施したプログラム「義務教育延長法」。
赤沢千夏が通う学校がそのテスト校として選ばれ、厳しい社会を生き抜くためのプログラムが施行されます。
そのプログラムとは「ババヌキ」でした。
ババ抜きで負けた人間は矯正施設に送られることになり、勝った人間は奨学金や大学への推薦がもらえるのでした。
千夏は親友の美奈子と転校生の香奈と徒党を組み、2回のババ抜きを勝ち抜くのでした。
しかし、2回目のババ抜きの際に美奈子が想いを寄せる高島洋平が敗者となり、仲は分裂してしまいます。
高島が負けたことが許せなかった美奈子は千夏と絶交し、他の残りの生徒の受託者になります。
これで千夏、香奈、美奈子の最後のゲームが始まります。
結末ラスト
実は香奈は姉が以前このジョーカーゲームで友達に裏切られ、敗者になり、矯正施設へ送られてしまったため、自分が助けに行こうと考えていたのです。
しかし、教師の滝沢は香奈にすでに姉が矯正施設すら脱落したことを告げ、香奈は絶望します。
ゲームは進み美奈子がまず上がります。
最後に千夏と香奈は互いにカードを交換し、最終的に千夏を信じ切れなかった香奈が敗者となります。
その後、千夏は連れていかれた香奈を助けるために運営委員の人間や教師たちに奇襲を仕掛けます。香奈を助けた千夏は二人で走ってあてもなく逃げるのでした。
ジョーカーゲームのキャスト
赤沢千夏 – 北原里英
大野香奈 – 高月彩良
横江美奈子 – 小池唯
高島洋平 – 大久保祥太郎
神田智 – 白又敦
横山直哉 – 根岸拓哉
浅野圭一 – 溝口琢矢
上田陽子 – 伊倉愛美
下川ちひろ – 吉田まどか
キャストについて感想
主演の北原里英は本当に主演なのか?と思っちゃうくらい出番とセリフが少なかったです。
元々キャラもあいまいで作中でも「空気読んでるふりして結局自分のことしか考えてない」と言われていたあまりぱっとしないキャラクターでした。
一方で存在感を発揮していたのが、高月彩良でした。
この子、人狼ゲームのクレイジーフォックスの時も奮闘していたショートカットの子という印象でとても印象に残りファンになりそうです。
普通の美少女というよりは、少し影を持っていて、時に冷徹に、時に冷静に判断を下すようなクールな役が似合ってますね。
小池唯については昔グラビアアイドルの時から知っているので、むしろ女優をしているのにびっくりです。調べると1991年生まれなのでもうグラビアというよりは落ち着いて女優という感じなんですかね。きれいな人ですが、少し制服がつらいところです。
ジョーカーゲームのネタバレ感想
最近はアイドル映画ばかり見ており、特に人狼ゲームなんかはとても面白くこの手の映画のあたりを探していました。
残念ながら設定は面白いものの、パンチも足りず完全不発でした。
ゲームのルールが甘い
このジョーカーゲームの主なルールは以下の通りです。
・ジョーカーが残ったら負け
・契約によって委託者は受託者にカードを渡してゲームを抜けることができる
・受託者が負けると委託者も全員負ける
ちょっと気になるのは以下の部分です。
カードのオープンOK
今回これが一番だめだなと思ったのですが、カードのオープンがOKになっていることです。
いじめられっ子が脅されてカードをオープンにしていましたが、そもそもババを引かないためにはババを持っている人間をいち早く明らかにすることが重要です。
その点、自分がもしババを持っていなければ「私はババを持っていないからババを持っていない人同士でババ抜きをしましょう」といえば、絶対に勝てるのです。
脅し・暴力OK
いじめっ子が脅しや暴力によって相手のカードを見たり意図的なカードチョイスをしたりというシーンがありました。
正直暴力や脅しがOKではこのゲームはかなりチートです。
とにかく力で押せ押せで相手のカードを交換させていけばいいのです。
さすがに力づくで見ることはダメそうですが、肉体的な苦痛や精神的な苦痛を与えることで相手のカードをオープンにさせジョーカー以外を持つことが重要そうです。
カードの交換OK
どさくさに紛れてジョーカーをいじめっ子に押し付けるシーンがありました。つまり、カードの廃棄や奪取はできませんが、交換はOKということです。
つまり脅しや暴力によって相手のカードとすり替えて交換することは可能ということです。これでは知略というよりも手癖の悪いやつのほうが勝ってしまいそうです。
他にも粗が多いルールなのでもう少し厳格にやってほしかったところです。
命がけ?ではない
実はこのジョーカーゲームでは人は死にません。
一人目の下川ちひろが泡吹いて倒れたあたりは「死んだのか?!」とワクワクしたものの、単に気絶して施設送りにされただけとのことでした。
この手の作品で死んでないというのはどうも緊張感が薄れてしまいます。
最後に
アイドル映画も最近はレベルが上がってきている者ですが、これは今一つの作品でした。
続編では香奈も少しだけ出てきます。
メンバーは大きく変更になっていますが、香奈が助けたかった姉の真希のお話です。
興味ある方は続編もご覧ください。